演劇のお医者さん(若林医院)

tetsubin5.exblog.jp
ブログトップ
2009年 11月 23日

■第58回埼玉県高等学校演劇中央発表会/講評文掲載

c0209544_0483546.jpg【日時】2009.11/21(土),22(日)
【場所】彩の国さいたま芸術劇場大ホール
【大会結果】
●最優秀賞 筑波大附属坂戸高校
●優秀賞1席 秩父農工科学高校
●優秀賞2席 川口高校
●創作脚本賞 大宮開成高校/高橋一喜「monologue」
●創作脚本奨励賞 久喜工業高校/演劇部「しあわせや」

【内容】
■■【はじめに】
▼埼玉新聞掲載の講評文は敢えてほとんど「誉め」に終始した。これは一重に当該校での宣伝材料にしてもらうため。従って以下の講評は少し辛口の講評になるが、「こうすればもっとよくなる」的な指摘なので、当該校は「なるほどな」と思うとこだけ取り入れてもらえばOK。
▼全体的にはいわゆる「シャクリ台詞」が多いのが気になった。会場一杯に届かせようとして怒鳴ったり、甲高い声になったりすると間違いなく「シャクリ台詞」になる。これは誰かに言われないと自分では気付かないことが多く、さらに困ったことは「相手の体に台詞が入らない」ことです。というか相手に入れようとしない結果「シャクリ台詞」が生じるのかもしれない。ここをクリアしないと、芝居の本当の快楽が手に入らないと思うのだが・・・・。
▼先週、徳島の県大会の審査員をやりました。一部を除いてほとんどの学校が「シャクリ台詞」の洗礼を受けていました。その中で、二人の男の子(A,Bとします)に惹かれました。両方とも脇役で余り目立たない役柄で、しかもおまけにA君は声も小さかったのですが、自然な物言いだったので、A君が話し出すと観客が反応し出し、その芝居では少なからず唯一笑いを取っていました。一方B君は演技があまりうまくはなかったのですが、持ち前の低い声で、全部観客にしっかり台詞が届いていたので、やはり他の役者にはない反応と笑いをとっていました。
▼台詞はなるべく自然に、しかも相手に入れることと、出来るだけ低い声をベースにすると「シャクリ台詞地獄」からは逃れることが出来ます。(人間の地声は思ったよりかなり低めです)これは解れば簡単なことなのですが、しかし実際にやらないと解らないことなので、必ず顧問の先生や第三者に聞いてもらったほうがいいと思います。

c0209544_20571879.jpg■■①【新座柳瀬高校「修学旅行」畑澤聖悟/作】
▼舞台美術が修学旅行用の旅館らしく、よくできていた。ただし、入り口の柱を太くするとか、廊下をもっと広くするとか、部屋の入り口付近の処理をもっと丁寧に作れば完璧だった。
役者の声も比較的よく通っていて、特に班長のヒカル(山本実果)の声が素晴らしかった。生徒会長のノミヤ(柴田小百里)の自然な演技が芝居を引っ張っていた。
平和教育の沖縄修学旅行。旅館での非平和的行動をイキイキと描けるかがこの芝居の勝負どころだが、同部屋の5人のキャラクターもよく表現されていて、高校生たちの間の修学旅行の葛藤が笑いの中によく表現されていて、心地よい芝居だった。
▼若干、音響が遠慮がちで、もっと堂々と主張してもよかった。
役者も全体的にもう少しリラックスしたら、もっと高校生の豊かな生命力とユーモアが表現できたと思う。 

c0209544_18203317.jpg■■②【大宮開成高校「monologue」高橋一喜/作】
▼作者はおっさん役の高橋一喜君。言語感覚が素晴らしかった。しかし芝居の台本としては文学的すぎて、しかもしゃべりすぎ。構造も甘い。ちゃんと基礎から勉強すればいい「書き手」になるかもしれない。
役者の声も素晴らしく、特に柴崎(野澤智媛)と光一(中濱慎平)の声がよかった。高く叫ぶ声は喉を詰めてしまい、こちらに届かなくなるが、低い声は二人ともとても魅力的だった。2音目や2フレーズ目で床に落ちてからシャクッてしまういわゆる「シャクリ台詞」が補正出来ればもっと観客に浸みた芝居になると思う。また、おっさんの年齢をもう少し表現して欲しかった。
▼台詞はテンポがよく、気持ちよかったが、大事なところでもっと溜める間も欲しかった。ときどき観客を置き去りにして芝居が進んでしまうこともあった。光一と柴崎、光一とおっさんの間の感情の交換や、関係がもう少し表現される余裕が欲しかった。
▼転換時には音が欲しかった。無音の転換は、観客は何も見る物も聞く物もないので自分の現実に帰ってしまう。もっと場面を積極的に繋ぐ、しかもセンスのいい音響が欲しかった。また2度の事故の音響は、もっと残響を残して欲しかった。
▼紙風船の扱いや、舞台袖で破れる音、また時制の戻りなど、未消化な部分が目立った。
▼装置については、三つの場所にある、共通する白い箱は効果的ではなかった。それぞれ教室や空き地や部屋に見えなかった。それぞれの場所を象徴するリアルで簡単な物を置くだけでもよかったのではないか? お爺さんがいる自宅の部分はもっと奥に置いて、奥行きが欲しかった。

c0209544_20583690.jpg■■③【県陽高校「月空の果て」Y・H/作】
▼女子だけで、あえて男の世界、剣を持つ武士の世界を描いたこの芝居は、まるで宝塚を見ているようだった。丹念に練習を積み、そのある意味特殊な世界をよく表現していた。装置も左右からの高台をつくり、月やぼんぼりを配して、音響と共によく雰囲気を出していた。役者もそれぞれ力演だった。特に大石忍(細谷志穂)の声と立ち振る舞いは素晴らしく、信輔(佐藤真由子)も若々しいエネルギーで好感がもてた。
▼ただし、時代劇という意識があったのか、全員が「シャクリ台詞」で、頑張れば頑張るほど言葉が相手に入っていかないので、勢い芝居が様式的にならざるを得ない。ト書きをしゃべるときの演出に一考を要する。
激しく出はけを繰り返す演出や、何度も切られてもすぐ元気に立ち上がる演出も、結局は様式的にならざるを得ない。ポイントでもっと細やかなリアリティが必要だと思う。
役者がストーリーに寄与しすぎの感がぬぐえなかった。久しぶりに会った昔の仲間に「10年ぶりだな」と言って、すぐ立ち回りに入るのはどうかと思うし、ストーリーを説明すべく早口の台詞がよく分からなかった。また最後の大事な決闘の前に、脇役達が派手に大立ち回りをやってしまうのは、作品構造的に損かもしれない。
▼あれだけの衣装を揃えるのは大変だろうが、信輔を除く武士はみんな同じ色だったので、役の区別が付きにくい。遠方からでもすぐ解る程度に微妙に変えた方がよかった。
▼「ひとりぼっち」「友情」「居場所」「帰る場所」というエキセントリックな言葉の多用と甘いピアノや笛の音と相まって、芝居はどんどん「甘え世界」に入り込み様式化していってしまったように思う。趣味の問題でもあるのだが、情緒に流れずにもっとリアルに若者の孤独と出発を爽やかに表現する演出もあったのでは・・・・?

c0209544_21111551.jpg■■上演④【秩父農工科学高校「肌色メタル」コイケユタカ/作】
▼役者はもれなく一定水準を超えていた。特に夏(橋本奈美)が素晴らしかった。社長(?)の物言いも効果的だった。台詞もほとんどが観客席に届いており、観客席との一体化があった。装置も細かいところまで神経が行き届いており、照明や音響のタイミングも素晴らしく、訓練を積んだであろうことが充分想像ついた。欲を言えば機械の社長をもう少し奥に置けば、芝居に奥行きが出せたと思う。社長のコードの抜き差しのシーンは、社長に照明をあてて抜き差しをもっと見せて欲しかった。
▼多くの見せ場や道具立てが、面白かったが、言いたいことのポイントが多く、しかも時間の関係なのか、それを同時に見せられるので、観客の理解が深める前に芝居が進んでしまう感があった。もう少し、丁寧に一つ一つを見せながら、本題になだれ込むと感動が違った物になると思う。
▼いろいろ表現として未消化の部分があった。「肌色」という言葉が随所に出てきたが、その意味するところが深く浸みてこなかった。
堂元の長い間隠してる手が金属だった。最後の夏目の腕が抜けるとやはり金属だった。さらにエンディングの金属の手の投げ込み。いずれも観客への「刺激」におもねてる感じがぬぐえない。金属化は精神的なものなのか?それともリアルな金属変化なのか?千崎以外はいずれも自己の機会化を自覚していないのは何故か?放射能に犯されると自覚できなくなるのか?作品構造の大事なところなので、明確に表現して欲しかった。
芝居の完成度が高かったし、芝居の強度もあったので、気にならない向きもあると思うが、フッと思い返すと、結局私たちをどこに連れてってくれるのかが解らず、最後不満が残る観客もいるかもしれない。やはりいいたいことの明確化は必要かもしれない。関東大会に向けての課題か?

c0209544_18213753.jpg■■⑤【久喜工業高校「しあわせや」演劇部/作】
▼練炭自殺を企てた3人の男が、意識を失って、気づくとしあわせバスツアーに乗っていた。誠実な演技で、魅力的で重いテーマに挑戦した。花村(芝僚介)がいい声で、観客席に届いていた。ガイド(山下夕喜)もコミカルな演技で頑張っていた。しかし緊張していたのか、台詞が小さく、早口で観客に言葉が届いていないので、芝居がもう一つ膨らまなかった。
せりふ全般が、床に落ちていて、反応のない間が生じ、舞台のエネルギーを弱めていた。主題が暗いので、芝居は明るく演じた方が効果的だと思う。
▼バスの装置を舞台一杯につくったが、少し広すぎて、バスの中には見えなかった。舞台奥の平台の上に乗っていた棺桶のような台と両脇の2本の柱の意味がよく分からなかった。観客が納得できる装置であって欲しい。またガイドがいちいち用足しに舞台袖に消える演出は、バスという空間への観客の想像力を疎外していた。
▼最後に悟の携帯が現実世界とつながり、なぜ悟だけが助かるのかが、よく分からなかった。
▼台本はもう少し役者の主体を大事に書いて欲しい。簡単にバスへの「申し込み」を納得したり、容易に「終点まで行くこと」を受け入れてしまうのは、ストーリーの進行を大事にした結果だと思う。また起きる事柄としては「結局悟だけが救われました」というだけで、構造的に平板。基本的な葛藤がないので、芝居というより、文学に近くなってしまう。
いい芝居をつくろうという気持ちが伝わってきていただけに、全体的にもう一つ厳しく観客の視点で芝居を創って欲しかった。

c0209544_210257.jpg■■⑥【東京農業大学第三高校「眠れる☆の少女」とうきょうりゅう/作】
▼本人はそれとは知らないうちに、シェルターの中で26年ぶりに目覚めた少女。だとするとこの部屋は26年前の少女の部屋仕様でなければならないはずだが、どこか2035年あたりを意識している装置で、それは根本的に違うのでは・・・?
しかし、紗幕のモニターから写る両親をみせる表現や、ドアの部分やいろいろな工夫が見られた。
壁は、左右を袖幕に隠した方がいいと思う。
▼役者は全員リラックスして、観客の反応も味方につけていた。ユミ(関口鼓弓)の声が柔らかく、小さな声もみんな理解できた。召使いのアンドロイド(栗原秀行)もそれらしい雰囲気を醸しだし、観客の笑いを誘い、芝居にエネルギーを注入していた。しかしもう少し表現の大きさと変化があった方が、もっと観客の反応を得られたと思う。3人の友達がアンドロイドだと観客に解らせるところと、両親はもういないと解らせるところがこの芝居の一番の面白さなので、もっとメリハリのあるショッキングな演出があるとよかった。ダンスもうまかったが、暗すぎてよく見えなかった。他の登場も含めて、照明(SS)をもっとしっかり当てて観客に見せて欲しかった。特にオープニングの暗い照明の演技は少し長すぎた。アンドロイドたちの台詞が音響にじゃまされてよく聞こえなかった。
▼台本は面白くかけていたと思う。しかし結局、シェルターの中で26年ぶりに目覚めた少女が、アンドロイドの捕獲を避けて、26年ぶりに帰還した宇宙飛行士とともに絶滅した人類を1から創ろうという話。それだけだと平板で、今ひとつドラマとしての膨らみに欠けた感は否めない。

c0209544_2102994.jpg■■⑦【入間向陽高校「ヒトえもん」成井稔+Koyo劇部/作】
▼引きこもりの一夢(上中一夢)の夢のような不確かな毎日。ここを抜け出す前に家族に見放されて・・・、という芝居。とぼけた味のあるいい舞台だった。もっと夢のような不思議な感じを出してもよかったのでは。お爺さんも、変装した一夢をおばあさんと間違えるくらいなのだから、演技ベースをもっと「ボケ」にしてもよかったのでは・・・。
「お母さんはたとえ変態でも正直な子が好き」とう台詞で代表されるこの台本の文体は魅力的だった。上位3校の中に入っても遜色ないいい出来だったと思う。
最後に突然数年後にジャンプするわけだが、一夢がそれを「どう疑わないか」がこの芝居の核のような気がするのだが、もう一つ中途半端だった。また、それまでのいくつもの日曜日の中で、一夢の自己がボケていくテンションを徐々に上げていって、そのあげく最後の「数年飛び」があればもっとリアリティが出て、芝居が深まった気がする。
▼装置はリアルにこだわり、よくできていた。ただ電球(蛍光灯)が若干まぶし過ぎたような気がする。また、掛け軸は壁には直接掛けないかもしれない。隣の家の窓の距離が近すぎた。

c0209544_2105544.jpg■■⑧【三郷北高校「旅館-再会の月見編」平田侑也/作】
▼一人息子を山の遭難で亡くした旅館の主人が、息子の残したテープに出てくる5人の友達の来館を妄想して、一人ビールを飲む、という芝居。
役者はみんないい声をしていた。特に朋也(日影望)、明(上原優子)、茜(越中環)がよかった。ただ、怒鳴ったり、大きな声を出すとき、喉ぜりふになり、突然聞き取れなくなった。純子(佐々木優美)と茜は自然な物言いで聞きやすかった。小品としてまとまったいい芝居だった。
▼装置は旅館の部屋を小さい四角い照明でエリアを切って当てていたが、6人の登場人物を配置するためには、あまりにも狭かった。袖幕から歩いて部屋に入ってくる役者の距離がありすぎ。もう少しボンヤリ外側に灯りを漏らしてもよかったのでは? 場合によっては思い切って、畳ではなく、黒パンチだけでもよかったのでは?
▼演技デッサンをもっとしっかり創って欲しかった。おじさんへの「内緒話」は、「芝居のうそ」としても変だったし、おじさんの正面切りの挨拶や物言いは芝居の流れを切っていた。朋也の「置いてけぼり」のシーンをカットしたのであれば、もっと悔しがらないとお客には状況がサッと飲み込めないかも。怪談話はもう少し怖くやって欲しい。
▼演出的には、最後の死んだ渉が突然部屋に上がり込んでくるシーンは、(おじさんの妄想だと後から解ったとしても)どうひいき目にみてもおかしかった。部屋をあれだけ小さい四角い照明でエリアを切ってあてていたのであれば、左右に一つずつ単を用意し、右の単に渉を登場させて、あくまでも現実と一線を画した方がよかった。さもないと違反だろう。さらに左側の単に、遭難の二人を配し、しかもそこから直接二人がこの部屋に上がり込む演出ができると面白かった。二人が走って雪穴から袖に消えるのはあまりにも無神経。雪をかき分けて去って欲しかった。音無し暗転はやめよう。遭難の二人にはもう少し必死さが欲しい。みんなの消え方は一考を要する。最後のおじさんの台詞が音に消されて聞こえなかった。

c0209544_2112363.jpg■■⑨【川口高校「贋作マクベス」中屋敷法仁/作】
▼ヨリコ(高橋すみれ)と魔女(森山裕紀)の声がよかった。特に低い声はバツグンに存在感があった。全体的にいわゆる「シャクリ台詞」が多く、怒鳴ったり、声が高くうわずったりすると台詞はほとんど解らなかった。もっとリラックスして自然に相手に言う訓練をするともっと芝居が膨らみ、笑いも取れるはずだ。また最後の「芝居の楽しさ」「自己満足の肯定」という主題が素直に観客に落ちてくると思う。
▼マントの色をもっと役ごとにわかりやすく変えると、マクベスの話もわかりやすかったかも。
▼装置はシンプルでよかったのだが、ただ部室であることの説明だけで、もっとシーン毎に動かして、利用すると芝居が膨らんだかもしれない。

c0209544_18224269.jpg■■⑩【筑波大学附属高校「ジキタリスと田中くん」演劇部/作】
▼完成度の高い芝居だった。役者が開放されてるのが何より一番心地よかった。先生と生徒の場面での女の子の演技は気持ちよく、自然で魅力的だった。それぞれが自分の思いでしゃべってるので言葉に説得力があった。観客も自然に芝居にのめり込み、確実に筑波大附属坂戸高校が長年培ってきた芝居の作り方の安定感の中に、会場が一体になった。
▼ただし、それだから余計、最後に唐突にいくつかのテーマらしき台詞が飛び交うことが、芝居の構造の平板さをさらけ出してしまうような気がしてならない。それまでのわかりやすいエピソードが素直にテーマとして収斂して観客に落ちてこない。なので大事な言葉が「思わせぶり」の言葉にさえ聞こえてくる。芝居の出来がいいほど、芝居が解りやすいほど、その感が強い。完成度がある半面、そこのツキツメが次のポイントのような気がしてならない。私もなんども同じ思いで同じような芝居を創ってきたので、あえて苦言を呈した。しかし見事、最優秀賞。これは文句ない。ここまできたのであれば是非今度こそ全国大会に行って欲しい。部活動の現場の大変さをよく知っているだけに、心からそう思う。
[PR]

# by tetsubin5 | 2009-11-23 00:39
2009年 11月 17日

■第61回徳島県高等学校演劇研究大会/審査員

【日時】2009年11月13(金)~15日(日)
【場所】あわぎんホール・徳島県郷土文化会館
【作品】出場校/13校

c0209544_16323140.jpg●地元の紋田正博先生とともに以下の13校の芝居を審査。
紋田先生、田上先生はじめ、徳島の先生方には大変お世話になりました。
ご期待に添えたかどうか解りませんが、一応全力を尽くしましたよ。
13校全部創作脚本。これにはびっくりです。でもだからこそ今度は「ドラマ」をぜひ勉強して欲しい。スゴイ県になりそうです。題名の付け方もうまい。なにしろ顧問や生徒のエネルギーを感じました。
生徒の皆さんも素直で、顧問の先生方もみんないい人で、お世辞ではなく、とても楽しい3日間でした。
なんだか逆にこちらがエネルギーをもらってしまった・・・・。

<11月13日(金)>
■■上演①【板野高校「THE正悟」西濱正悟/作(生徒創作)】c0209544_16251221.jpg
<上演校コメント>その昔、人々に拳術を教えた存在、正悟。そして現在それを継ぐ者達は、今日も熱い闘いを繰り広げる。
▼女子だけで、男の武道の世界を芝居にしたのには驚いた。よく頑張って創ったものだ。最後作者の正悟君がフッと現れたが、ネライなのか照明が暗くてよく見えなかった。「正悟」を見せてしまうことがいいかどうかは別問題だが、出すのならちゃんと見せて欲しかった。戦いはもっと迫力がないと芝居にならない。この台本の世界が表現できない。いかにも女の子がつくった装置が両袖にへばりついたように配置してあったが、むしろ何もない真っ黒な舞台で、エリアをせめ、役者のエネルギーで見せるやり方もあったのでは・・・。衣装もトレパンにしか見えなかった。もっとこの不思議な世界の創造にこだわって欲しかった。

■■上演②【阿波高校「御仏済度(おふさいど)」阿波高校演劇部+吉田晃弘/作(創作)】c0209544_16265390.jpg
<上演校コメント>私たち女子サッカー部は、この夏の寺合宿で体力も団結力も高めて頑張ってます!ただ一人を除いては…。
▼タムラ、アヤカ、ワダの声がよかった。
▼装置もガッツリつくり、仏像やらいろいろな細かい工夫がいっぱいなされていた。台本も含めていたるところにみんなで頑張って創った思いが感じられて心温まった。
大檜のエリアを仏像を彫るセリナとサッカー部が集まる部分との2つに何となく分けて処理した方がよかったと思う。
▼芝居は若干つきつめが中途半端だった。高校生が仏像を彫りたくなったり、お寺から仏像を盗んでくる気持ちのリアリティが感じなかったし、それを住職が敢えて見守っていたというのもどうひいき目に見てもあり得ない設定だ。
▼しかし、芝居への情熱を痛いほど感じたいい舞台だった。

<11月14日(土)>
■■上演③【城東高校「おくる」志田真奈美・茅野克俊/作(生徒顧問創作)】c0209544_16271850.jpg
<上演校コメント>何も出来ない、何もしていない。焦りを抱えた少女達が、消えて行く文化部合同倉庫で見るものは何か。
▼城東高校は全員、台詞が自然で、相手に入っていた。ただし、大事な台詞はもう少し立たせた方がいい。むしろ不思議な物言いの中野の方が観客には解りやすかったくらいだ。
女子高校生の、悩んで、決心して、おののいて、やがて社会に出てゆくまでの「愛おしい時間」をよく表現していたと思う。
▼しかしまず、主題になかなか入らないのは少々ツライ。
その割には出掃けが頻繁にありすぎる。前半部分の出入りの中で、お互いの存在の気づきをもう少しきめ細やかに演技で表現した方が、雰囲気はグッと深まると思う。
▼合同倉庫が亡くなることや、倉庫の荷物がどんどん無くなっていくことが、一つの「趣向」にはなっているが、登場人物達の何らかの葛藤にはなってないので、観客にとって、意識の集中点が見つからないのです。つまりドラマがない。それがあえて「ネライ」なのかもしれませんが、四国大会ではやはり弱いと思う。
全国の「七人の部長」では「部費争奪戦」というわかりやすい線があったように、素朴でも何かあった方がいいように思われます。四国大会突破せよ!

■■上演④【城北高校「学校」古田彰信/作(顧問創作)】c0209544_16274486.jpg
<上演校コメント>とある高校。忙しく怠惰にふるまう、社会科準備室にいる朝の教師のふるまいやたたずまいを通して、教育のありかたを少しだけ考えてみようかと思います。
▼教師の坂井と不登校の比嘉の声が素晴らしかった。坂井は動きは少し若かったが、ホントの教師と間違うほどの存在感を見せてくれた。高校生としては貴重な存在。
▼「民主的で生徒への感受性がある教師こそ体制の中で自己を失っていく」ことの怖さみたいなものが出せれば成功だったが、台本の問題か演出か演技の問題かよく分からないが、そこら辺のニュアンスがもう一つこちらに伝わってこなかった。
葛藤というより存在で見せる芝居なので、難しい要求だが、もう少し演出の方法論としてのツメが欲しかった。
台風の風の音はかなり大事な要素だと思うので、ときどき芝居に登場させた方がよかった。
教頭がいい人過ぎたかな? 最後の「お尻おどり」、気持ち悪さは伝わってきたが、どうしようもない「やるせなさ感」がイマイチこちらにこなかった。

■■上演⑤【鳴門高校「く’s」宮本洋之/作(生徒創作)】c0209544_162899.jpg
<上演校コメント>ある日集められた数名の者たち。一つ言えるとすれば、皆が皆社会的に、あるいは人間的にくずだということだ。
▼作者の宮本君、よく頑張って書いたと思った。つじつま合わせや、せりふの言葉選び、苦労したことがよく解って、心の中で「拍手」だった。だだしストーリーの必然性のツキツメが今ひとつ曖昧だった。この連中はなぜどうやって連れてこられたのか。勝手にこの部屋から出て行きたければ自由に出て行けるのにどうして出て行けないのか?頑張って書いてはいるのだがちょっとムリがあると思う。この設定に命を賭けないと、「閉じられた空間」にならない。
▼役者はみんな頑張っていたが、叫ぶと喉発声になり台詞はすべて死んでしまう。女子の台詞はよく分かったが、男子の台詞がよく聞き取れなかった。
▼音無しオープンはともかく、音無し暗転はヤバイ。最後のところも音がなく、ドン切りの最後でドアのしまる音がかすかに聞こえた。ネライか失敗か? もっと思い切って観客に表現で迫ってきて欲しかった。

■■上演⑥【富岡西「海が好き!」斎籐綾子原案・田上二郎脚本】c0209544_16283154.jpg 
<上演校コメント>学校再編で同じ高校に通うようになった海洋科と理数科の生徒6人が、実習船亜州丸に乗り合わせて遭難。太平洋上の大冒険。
▼まずは実際の船を女性だけで舞台の上に造ってしまった情熱にびっくり。
幕開き、まず先生が泳いで救助依頼に行ったという「緊迫感」がない。海洋科と理数科の生徒の対立を越える命に関わる問題だから・・・。しかしその対立も途中で消えてしまう。ボートピープルが乗り込むが、このエピソードが生きてない。最後の暗礁に乗り上げて船が壊れる最大の山場の緊張が客席に届かない。芝居として安心して見てしまってる。
テーマはかなりベタなものなので、演出も台本ももう少しドラマチックに作り上げて欲しかった。
▼ボートピープルの服はもっと汚して欲しい。シオリの「私は勉強きらい」は叫ばない方がいいかも。遭難後の二人の「漂い」は少し長い。ヘリの救助、もっと感動的に。二人以外の遭難者の出現は漫画になってしまった。救助梯子がおりてから幕までのタイミングは大事。しっかり練習して欲しい。
ナギとアイの声はOK。ソノコも叫ばなければいい声。お腹から声を出して怒って欲しい。
▼中国大会頑張れ!全国目指せ!

■■上演⑦【池田高校「ビへイバー」福本桃子/作(生徒創作)】c0209544_16285318.jpg
<上演校コメント>生きるために盗みを働いた少女が出会ったのは、やたらかまってくるロボットと騒がしい警察。彼女は一体どうなってしまうのか。
▼少人数だがコンパクトでいい芝居だった。中割は役者に触れるほどあんなにせめない方がいい。基本的に、幕は芝居の中の小道具でなく、会館の現実なので、役者の体が中割に触れるたびに、フッと現実に戻される気がする。ロボットは声がよかった。ときどきロボットらしさを出した方がもっとよかったか? 峰子もかなり頑張っていたが、早口で下を見る演技が多く、もう一つ客席に立ってこなかった。
幕開き、外から進入したのなら靴を履いているだろう。そしてその後のロボットの登場でもっと驚き逃げようとするはず。その後自分がここの住人として勘違いされてることを知り、居座りをきめこむまでの気持ちの変化を見せることが、この芝居に観客を引き込むかどうかの試金石なのだが、サラサラとやってしまったのは残念。
▼台本ももう一つツメが甘い気がする。要するに何を書きたかったのかがハッキリしなかった。刑事の心の中もよく表現できてなかった。
しかしみんなで頑張ってここまで創った情熱はよく伝わった。

■■上演⑧【城ノ内高校「パパと暮らせば」大窪俊之作(顧問創作)】c0209544_16291683.jpg
<上演校コメント>パパは兵士だった。そして今どこにいるのか知らない。だけどここを離れたら、結局私はどこにも行けないような気がするんだ。
▼なかなか見応えがあり、緊張感溢れる芝居だった。
ただ、沖縄、アメリカ、戦争、カジュマルの木、バイク、3つの密約、核弾頭などなど、様々な言葉、アイデア、エピソードを詰め込みすぎのためか、それぞれが有機的に観客の脳にイメージを結ばなかった。「アイデアのごった煮」は結局単なる刺激に終わってしまう。
もったいないと思った。結局芝居は観客にどういう像を浮かばせるかが勝負だから。
▼舞台は広く使いすぎ。そのわりにはカジュマルの木をもっと有効に使いたかった。バイクのヘッドライトも動いたらよかった。照明の失敗なのか、肝心の役者に照明が当たっておらず、舞台が一様に暗かった。赤ちゃんをリアルに殺す場面は辛かった。

■■上演⑨【富岡東高校「無理強いな春のために」宮田菜都美作(生徒創作)】c0209544_16293876.jpg
<上演校コメント>希望の春、は不安にしかならない。自分が何をしているのか見えないのに、自分と向き合うことを避けていた。
▼会話がみずみずしかった。高校生本人しか書けない言葉だった。しかし現実はこんなにあけすけに「あなた私にくっつき過ぎよ!」などと言えないかもしれない。むしろ一つの理想を書いたのかなと思ったくらいだった。しかし美術室での女子高校生の佇まいがよく出ていた。
▼登場人物5人がそれぞれに悩みを抱えているわけだが、放火した美織だけは救いがない。どこか蚊帳の外で終わってしまう。台本の都合か? また「そんなことできるの?」と問われた美織が「できるよ、だって放火したの私だもの」って言ってしまうのは台本の都合のような気がする。もう少し一人一人の登場人物の立場に立って、細かくつきつめるともっといい芝居になったのではないか。

<11月15日(日)>
■■上演⑩【海部高校「わが師の怨」吉田道雄/作(顧問創作)】c0209544_1630811.jpg
<上演校コメント>「わが師」は怒っています、子どもたちの支配に。新人教師達の横暴に。でもものには限度がある!
▼ゆがめられる教育の現場に対する怒りが充分感じられた。だだみんな真面目に反抗したり、真面目に怒ったりしているので、奇妙にも芝居が暗くなってしまった。そもそも反抗したり怒ったりする行為は、真面目さを突き破ったところで成り立つ感情だから、もっとリラックスして、いい加減に舞台にむかうと反抗や怒りのエネルギーが出てくると思う。
また何人かの役者が、台詞を言った後一瞬微妙に下を見る。これは心で言ってない証拠であるし、何よりも芝居エネルギーを落としてしまう。
▼教頭とカメのオーサワの声がよく響いていてよかった。
SSSの3つの看板は管理職の目に入るはずなので、いらなかったか? 見えないSSSの恐ろしさが今ひとつ出ていなかった。ひき割りを部屋の壁として使うのはどうか?
最後の校長の「プラグ抜き」はどういう意味なのか? 怒りなのか復讐なのかよく分からなかった。結局5人の面談授業が終わって、管理職の二人はやめて、「モニター」の中に教育がある、教員はいらない、が、言いたいことなのか? だとしたら一番大事なことは「ことば」でななく、それまでの芝居の「構造」の中で言った方がいい。

■■上演⑪【城西「マスクトゥマウスにやさしく」城西高校演劇部作(生徒創作)】c0209544_16303384.jpg
<上演校コメント>私達が生きてきた時間は短いけれど、思うことは多い。医療、政治、そして演劇。お楽しみに。
▼台本の言葉は素敵だった。ほとんど詩に近いものがあった。
問題はそれを芝居にしたとき、劇的感動を伝えられるかだ。キャストにインフルエンザがでたり、もともとマスクをつけっぱなしで演技しなければならなかったり、不利な点があったわりにはよく頑張ったと思うが、肝心の劇的興奮は伝わらなかった。
▼この手の芝居はいわば「壮大なモノローグ」だと思った。幕開きから終わりまで、あたかも一人の人の一つの台詞であるかのように演出したらどうだろうかと。だとしたら、逆に一人一人のモノローグはもっとリズムや高低をつけて、有機的に繋げながら観客にどんどん入れなければいけない。一人一人がばらばらではダメなような気がする。
ところが、台詞と台詞の間に意味のない間があり、芝居のエネルギーを落としていた。言葉のリズムを体の動きでごまかさないで伝えないと、逆に動きも生きてこないだろう。

■■上演⑫【城南高校「威武貴!~女スサノオ大蛇退治~」善本洋之/作(顧問創作)】c0209544_16305446.jpg
<上演校コメント>火の国クマソを駆ける炎の美姫イブキ!三種の神器を一つに合わせ、討て大蛇龍ヤマタノオロチ!超古代冒険活劇!!
▼楽しく見せてもらった。みんなよく訓練されており、オグナ、イブキ、ヤクモ、ヒムカの声がよかった。なによりイブキが魅力的だった。ヒムカはもっと低い声で男っぽい方がよかったように思う。
▼舞台装置がほとんど変わらないやり方はどうだったか?
下手のついたて(?)がどんな場面でも変わらずあり、出掃けにも使っていて、それはそれでいいのだが、たとえば1番目の王の部屋から2番目の「しの」のシーンに変わるとき、装置が何も変わってないので、しのの部屋とは誰も解らないかもしれない。王の部屋にしのがいると思えてしまう。芝居の約束事に甘えている感はぬぐえない。
▼しかし観客との一体感があり、「お芝居」としては充分成立していた。しかしストーリー重視の作りなので、「演劇」の快楽からは少し遠くなってしまったのが残念だった。

■■上演⑬【鳴門第一高校「intermezzo!!」坂本政人作(顧問創作)】c0209544_16312443.jpg
<上演校コメント>舞台は昭和17年、発足したばかりの移動演劇隊を襲う困難の数々。この時局にこんなことやってていいんでしょうか?
▼役者がすべてイキバリない発声で、すべて台詞が聞き取れた。とくに今井知恵がリラックスした演技で魅力的だった。ただテンポを意識したのか、全員早口で、メリハリがないので、芝居がのっぺらぼうになってしまった感がある。テンポとは必ずしも早口ではなくむしろ台詞と台詞の間の間をつめることなのだ。
また男子2人にせりふの波があり、気持ちが伝わってこなかった。
時代の雰囲気は充分出ていたと思う。ただネライなのかアクティングエリアがあまりにも狭く、見ている方も息が詰まる思いだった。椅子を周囲に掃けて空間を作ってあげた方がよかった。

■■【講評/感想】

▼【城東高校2年/志田(「おくる」の作者・演出)】
自分たちの芝居の意図をご理解していただいて嬉しかったです。簡潔かつ丁寧な講評をされる先生という印象を持ちました。
▼【城東高校2年/森(「おくる」の森野役)】 
優しい方なのだろうなあと思って聞いていました。(そんなに厳しい批判・批評をなさらなかったので) もう少し悪いところを言ってほしかったです。ドラマについてお話しされていたのを、もっと聞きたかったです。
▼【城東高校2年/多田(「おくる」の浅井役)】 
ほめて下さるのは嬉しいのですが、できればダメだしなどもう少しほしかったなあと思います。対話形式で、聞いていて楽しかったです。ありがとうございました。
▼【鳴門第一高校3年 / 磯崎綾華(「intermezzo!!」の今井役)】
対話形式の講評は経験したことがなかったので楽しかったです。大学でも演劇を続けたいと思っているので、今回の先生のご指導を励みに、頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
▼【富岡西高校2年 / 松田恵利奈(「海が好き!」のナギ役)】
若林先生の講評はとてもわかりやすくて次につながる講評だと思いました。また対話形式の講評も初めてだったので、とても新鮮でした。県大会の反省も踏まえて、四国大会頑張ります。
▼【富岡西高校3年 / 森歌奈子(「海が好き!」のシオリ役)】
 自分たちの曖昧なところというかアラというかを的確に指摘してくださったと思います!

▼【田上二郎/城東高校顧問】
c0209544_657445.jpgご多忙の中遠いところをお越しいただいた上、激務の三日間、本当にお世話になりました。
先生の審査についての感想は、「良い、悪い、こうすべし」といった評価と指導が極めてはっきりした言葉で語られていて、たいへんわかりやすかったと思います。曖昧さがまったくなかった。しかも厳しいながらも暖かくて、勇気が出る講評でした。おかげ様で徳島の顧問も生徒もこれから成長して行けそうです。
城東高校は現在3クラスが学級閉鎖で、私のクラスも8人休んでいます。大会当日、城東の14人、富西の20人が全員そろったのは奇跡でした。
四国大会では先生のご推薦に恥じないよう、全力を尽くします。

▼【古田 彰信/城北高等学校】
 先日は徳島県大会の審査、お世話になりました。そして、「飛べ!鉄びん」をお送りいただき、誠にありがとうございました。じっくり拝見させていただきました。先生の演劇に対する熱と思いが、伝わってくる内容でした。驚くべきことは、演劇に掲載されている作品の多くを、私が知っていたことです。改めて全国大会の常連であった先生のすごさを再認識することができました。僕の全国大会や関東大会で先生の芝居に出会ったときのこと、そして自分が芝居に没頭していた頃のことを思いださせてくれました。
 で、昔、徳島の三原さんが、先生のところの自主公演をはるばる観にいったとき、おみやげとしてもらった「SPOT 13号」がちょうど本棚にあったので、パラパラとめくってみました。冊子の少し古い感じの言い回しを読んでいると、僕は、今から17年前、1992年に、板野高校で「勇気りんりん鈴の音」をやらせていただいたときのことを思い出しました。僕の17年前は、すっかり記憶の彼方です。携帯電話はいまだ影も形もなく、インターネットもない時代でした。僕はワープロを使って台本を書いていました。気がつけば、フロッピーディスクは製造中止です。
 しかし、先生の姿勢が、そして秩父農工の生き生きとした活動の様子が、今もブレずにそこにあることに、僕は感動を禁じ得ませんでした。熱のこもった先生のHPも拝見しました。徳島県大会の様子が詳細にわたって書かれていました。先生の演劇に対する情熱とご意見、ありがとうございました。
忘れられない、とても貴重な徳島県大会でした。
 本校の作品「学校」は、インフルエンザ等の蔓延により、稽古時間を十分に取れず、前日一回通しただけで、舞台にあげざるを得ませんでした。ひとりの生徒にいたっては、新型インフルエンザに罹患して、数日休んだあと、ほとんど稽古ができてない中、舞台にあがりました。田上先生には「うちは上演できないかも知れんよ」と事前に言いました。ほとんど綱渡りの状態でした。
 最初で最後の通しで、上演時間が7分オーバーしていたので、大きく削除しなければなりませんでした。正直、もう少し完成した形で作品を観ていただきたかったと思っています。伝わらなかったことが悔やまれます。
 生徒と話し合い、「学校」は、4月に新入生歓迎公演を兼ねて、もう一度上演することになりました。台本もかなり加筆する予定です。先生にいただいたアドバイスを元に、よりよい形に仕上げていきたいと思っています。いろいろありがとうございました。これからも、若林先生の若さと熱を見習いつつ、僕も演劇に専念していきたいと思っています。また、機会がありましたら、演劇の話など承ることがあれば幸せです。
[PR]

# by tetsubin5 | 2009-11-17 23:13
2009年 11月 10日

■大宮開成高校/訪問

c0209544_947057.jpg【日時】09.11/9
【場所】大宮開成高校/練習室
【作品】高橋一貴/作「monologe」

■■【内容】
▼生徒創作でしかも初めての県大会出場で、緊張とやる気が漂う練習場。
みなさん、みんな素直で感じのいい人達ばかり。役者も飲み込みが早い。しっかりポイントを抑えて練習すればかなり密度の高い芝居にも挑戦出来そうな感じ。
台本は、才能を感じるくらい濃い言葉のヤリトリで、若者の下意識をくすぐる。しかし、芝居は文学ではない。生きた物語としての構造を勉強すると、いい芝居が書ける人かもしれない。
▼まず、意識の変革。c0209544_9484214.jpg
ひとつ目は台詞覚えの頭の演技から体、感情の演技、モノローグではなくで相手に入る物言いの生理感覚を掴んでもらう。
二つ目は体のベースを、リラックスに変える。酔っぱらった気持ちのいい感覚。特に「おっさん」と「お爺さん」はカッコ悪いだらだらした体の居住まい。
その上で、演技のメリハリ。相手とぶつかり、止まって相手の目を見て、気持ちの変わる自分を充分を感じながらのびのびと次の台詞を言う。対話の快感を感じればもうOK。
▼装置も一考を要する。あくまでもお客がどう感じるかが大事。自分たちの都合は二の次。先入観は危険。
▼でも、あっという間の2時間だった。長い練習過程の中のたったの2時間。c0209544_951441.jpg▼どんな影響を与えられるかはたかが知れている。しかし、顧問の先生を含め、15,6人でのこの2時間のふれあいは永遠に消えないと思う。
楽しい2時間、あんがとね。
▼中央大会、芝居なんかやろうと、思わないで思い切って暴れてほしい。失うものは何もないのだから・・・。

■■【感想】
▼【野澤智媛(柴崎役)】
演劇をやっていて色々な指摘をされるのですが、若林先生は指摘と共に解決策を提案してくださるのですごくためになりました。具体的な演技指導と同じくらい、c0209544_9522328.jpg演劇において大切なことが短い時間の中で詰まっていて、今の自分の役をより楽しく演じられそうです。本当にありがとうございました!
▼【高橋一貴(おっさん役)】
おっさん役の高橋一貴です。本日は有難うございました。今日の演技指導で「お客さんに声を届ける」ということがはたしてどういうことなのか、おぼろげながらも掴めた気がします。この感覚をより鋭敏に、より確かなものにするべく、今後の練習でも意識していきます。
▼【中濱慎平(光一役)】
演技にめり張りをつけるだけでモノローグの雰囲気が大分変わりました。今日やったことをベースに他のシーンにもどんどん応用していきたいです。「リラックス」重要ですね。緊張するといい演技ができませんから、今日それがよくわかりました。本番までもう時間がないので、今まで以上に気を引き締めていこうと思います。今日は本当にありがとうございました。
▼【齋藤俊也(先生役)】
初見の先生だからこその先入観に囚われない斬新な手法に只々圧倒されました。御講義頂いた内容を活かして大会への最後の追い込みを行いたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
▼【平田将志(数光役)】
自分の中の役を演じる上での゛常識゛が変わりました。いつもの練習では手が回らない所も指導して頂いて、自分の出来る事の幅がとても広がった気がします。c0209544_9595661.jpg
▼【山﨑智大(演劇部顧問)】
今日お時間がないなか来校頂き、そして生徒たちに指導して頂きありがとうございました。先生にひとつアドバイスをもらっただけで、人形に命が吹き込まれたように、それぞれの役が動き出し、シーンの空気ががらりと変わるのが分かりました。生徒にとっても良い勉強になりましたし、私にとっても良い勉強になりました。今回は短い時間での指導でしたが、機会がありましたらぜひ時間をかけてご指導いただけたらと思います。本
日は本当にありがとうございました。
[PR]

# by tetsubin5 | 2009-11-10 09:45
2009年 11月 08日

■秩父農工科学高校文化祭公演/見学

【日時】09.11/7(土)
【場所】秩父農工科学高校・清心館
【作品】コイケユタカ/作「肌色メタル」
    別役実/作「帽子屋さんのお茶の会」
c0209544_12531231.jpg
■■【内容】
c0209544_1334671.jpg▼久しぶりの農工。35年も務めた思い入れ深い職場だが、(他の先生よりそうではなさそうだけど)少しづつc0209544_12535574.jpg少しづつは遠くになっていってる気がする。もちろん正しい感覚なのだが。
車を誘導にしたがって、下の運動場に入れる。今井先生は今でも駐車場係で頑張ってる。「1日好きなだけいて下さい」などと、相変わらずだ。車のドアを閉めると、「開演うわ~・・・」などと大きな声が聞こえた。池田が一人で大きな声で客呼びをやっている。それだけでおじさんは感動してしまう。
清心館の入り口では4人の変な子に歓迎を受ける。
敢えて、搬入口から進入。もうスタンバッてるキャストやブカンのアサナに暗がりで出くわす。う~ん、懐かしc0209544_1312789.jpgい緊張が伝わってくる。
▼肝心の芝居は、まずまず。だだし台本が厚みを増して、わかりやすくなった分だけ、わかりにくさが出てきてる感じ。演技もよかったのだが、決め過ぎか? 台詞がみんな谷底をつくってしまっていて、芝居が重くなり、実際観客はほとんど笑わなかった。以前はもっと練習量が少なかった割には笑いがあった。
ここら辺は中央大会に向けていい補正公演になるだろう。
▼芝居が終わってからタオのお父さんと尚美のまさよしと3人で、タオの進路について話し合った。
タオのお父さんは陶芸家で、羨ましくも私の夢であるアトリエをすでに創ってしまっている、素敵な人だった。
▼ミーティングの途中から参加。みんないい顔していた。
翌日受験の4人、がんばれ!
c0209544_135173.jpg

▼その後、「帽子屋さんのお茶の会」の装置検討会にも出席。
求められるまま、いろいろ直させてもらった。こんな作業は本当はだいすきで、私にとってはなんだか至福の時間だ。(あとで考えるともっといろいろアイデアが浮かんできたけど・・・・、残念)
c0209544_1365470.jpg
▼いずれにしてもエネルギーをもらったのはこっちの方だったかも・・・・・。
[PR]

# by tetsubin5 | 2009-11-08 12:51
2009年 11月 05日

■劇団シナトラ/訪問

c0209544_23273389.jpg【日時】09.11/4(水)19:00~22:00
【会場】 籠原公民館
【作品名】中島敦彦/作「酒坊ちゃん」

■【内容】
私とほとんど同年配でしかも大学の教授をしておられる矢澤先生の演技への「入れ込み」にいたく感心した私は、矢澤先生の申し出に対して、私の方から進んで今日のレクチャーと相成ったのでした。
練習を30分ほど時間を割いていただだき、矢澤先生の台詞のクセを直しすぐ失礼しようと思っていたのですが、ついお誘いに乗って、本番前の貴重な練習時間3時間をタップリ時間いっぱい使ってしまい、演出のトミタさんにたいしても、他の団員の人達にも心苦しく思いながらの直しでした。c0209544_2332227.jpg
でも一方では、芝居の好きな人達の創造の現場がたまらなくいい感じで、一番楽しんでいたのは他ならぬ私かもしれませんでした。見学に来ていた天末線の千葉と川田もあきれ顔・・・・。
ともかく、11/21~23の公演のために、少しでもお力になればいいなと思いながら、11時30分、家路につきました。

■【感想/矢澤K吉】
昨日は目から鱗の体験の連続でした。感動しました。演劇の面白さに気づけました。ぜひ楽しむというところまで持っていきたいと思います。
シナトラの仲間も、とても良い体験だったと口々に言っていました。
この交流の輪がもっともっと深まり、広がることを願います。ありがとうございました。c0209544_23341044.jpg

■【感想/トミタナヲヤ(演出)】
稽古、ありがとうございました。無事、お帰りになることができたでしょうか。先生の一言ひとことを受けて、みんなが良くなって行くのを感動して拝見してい ました。 ありがとうございます!
また、大切な御本をお分けいただきありがとうございます! 熟読します。
若林先生をはじめ、天末線の皆様と良い関係が発展していきますようにねがって います!
c0209544_23344521.jpg

[PR]

# by tetsubin5 | 2009-11-05 22:57
2009年 11月 03日

■劇団シナトラ/ゲネプロ見学

【日時】09.11/1(日)17:00~20:30
【会場】 深谷・七ッ梅酒造跡
【作品名】/作「酒坊ちゃん」
c0209544_14392728.jpg

■【内容】 11/21~23に上記会場で本番を迎える「劇団シナトラ」のゲネプロを劇団天末線の5人と見学。深谷は私の生まれ故郷で、七ッ梅は私の子供の頃の遊び場所でした。あまりのなつかしさに、8/16(日)に同c0209544_14405356.jpg会場で行われた公開試演会にもついつい出席してしまったのでした。で、この空間の手触りと、この劇団の雰囲気のよさに誘われて、また劇団のご親切な勧めもあり、今日のゲネプロ見学と相成ったわけです。
試演会よりもずっと完成度が増して、本番が楽しみな感じです。ただ問題は舞台前が暗い照明と平坦な椅子の観客席。それと台詞の間の「反応のない均等な間」が芝居を重くしている点がもったいないなという印象でした。でもこれはすでにシナトラさんの味になってる部分かもしれないし、どちらにしてももう少し練習を積めばなくなる間かもしれません。
いずれにしてもこれだけ芝居好きな年配の男性がぞろぞろ出てきて、芝居づくりを楽しんでいる様子は壮観で、ある意味わたしの理想でもありました。本番の成功、祈ってますよ
[PR]

# by tetsubin5 | 2009-11-03 14:04
2009年 09月 26日

■秋季熊谷地区高校演劇発表会・見学/公演会場下見

【日時】2009年9月19日(土) 13:00~15:30
【会場】文化創造館(さくらめいと)
c0209544_22293621.jpg

■【内容】c0209544_22344212.jpg
特に秩父農工科学高等学校演劇部・コイケユタカ/作「肌色メタル」に注目。前日の感じがしっかり出ていて、なかなかいい出来だった。しかし役者が決まってみると、いろいろスタッフ関係で問題点が出てくる感じ。これからどう伸びていくのか楽しみになった。

■【感想】橋本奈美/秩父農工・部長
今日の本番は、ほんと気持ちよくて楽しくて、最高でした。たとえ中央行けなくても、私は満足です。相手に入れる台詞の気持ちよさが少しでも解って良かったです。
色々と課題も出ましたが、今日はとにかく楽しかったです!
[PR]

# by tetsubin5 | 2009-09-26 22:34
2009年 09月 26日

■秩父農工科学高等学校演劇部/訪問

【日時】2009年9月19日(土)13:00~15:30
【会場】秩父農工科学高等学校・清心館
【作品名】コイケユタカ/作「肌色メタル」
c0209544_22244759.jpg


■【内容】
地区大会前日。リハーサルを終えてきて、ホールで練習。
本番直前の一本通しを見させてもらうつもりだったが、少し演技のベースを確認させてもらったら、案の定、一番大切な台詞と気持ちの焦点が外に出てない。自分の内側に向いている。本番前に一番大切なこと。真面目な生徒ほど本番前はそうなってしまう。なので30分ほど調子出しをした。自分の内側のベクトルを諦めて、相手の顔、台詞に気を持ってゆく練習。自分にとらわれてる演技は、いつも同じ演技になるが、相手に入る演技は、毎回微妙に違う演技になる。この差は大きい。
これが出来ればどんなときでも、役者の本当の楽しさを味わえる。
その後の「通し」は素晴らしかった。特に奈美と社長がよかった。
これなら明日は期待できそう。

■【感想】橋本奈美/部長
一本の前に、気持ちの焦点を合わせることを重点的に教えてもらって、芝居がガラリと変わったのがわかりました。最初は他の人がやっていたのを客席から見ていたのですが、みんなの演技がどんどん変わっていくのをみて、すごくわくわくしました。はやく自分も混ざりたい!って思ってしまいました。
そして一本をやる前、若林先生の「失敗してもいい」って言葉を聞いて、一気に楽になり、じゃあとにかく気持ちでやっちゃおう!って、良い意味で開き直れました。
一本はすごく楽しかったです。通しの間中、常に何かしらに集中していて、芝居の密度が濃くなったのを感じました。通しの間も、終わった後も、すごく気持ち良くて、見ていてくれた部員も、「今までで一番面白かった」と言ってくれて、客席にもちゃんと伝わったんだと思うと嬉しかったです。
今回の一本で感じた気持ち良さと集中を忘れないで、明日の本番も楽しみます!
[PR]

# by tetsubin5 | 2009-09-26 22:24
2009年 09月 26日

■秩父農工科学高等学校演劇部/訪問

【日時】2009年9月13日(日) 10:30~20:00
【会場】秩父農工科学高等学校・清心館
【作品名】コイケユタカ/作「肌色メタル」

c0209544_22195293.jpg
■【内容】
地区大会1週間前。かなり仕上がっているのだが、どこかこちらの心に響かない。一生懸命指示を実現しようとして頑張った結果のこわばりだ。もっと自分を離れて、相手を見る、相手や外のものに新鮮に驚く。リラックスして相手と繋がる事で、芝居が途端にイキイキし出す。役者の快楽が産まれる。リズムが踊り出す。
芝居が変わる。しかしそれまでの集中した練習があればこそ。
ここをどう突き抜けるか、このメンバーの力が今問われている。

■【感想】小池 豊先生/顧問
視線・驚き・台詞・動作などは、「やっているか」じゃなく「本当にやっているか」を見極めなきゃいけないんだ、と改めて痛感しました。表面上健康そうなだけで患部を見過ごしているようじゃ、開業医としては半人前。ただ、治療された箇所は、自分にとっても「ですよね!」ばかりなので、そう思うと感度を上げていけば自分にも可能性が? という希望が持てました。ありがとうございました!
c0209544_2221236.jpg


■【感想】橋本奈美/部長
昨日は久々の先生の直しで、前日からわくわくしてました。
ほとんど1日直していただいて、芝居が変わっていくのがよくわかって、直しを受けるのも見てるのも、すごく楽しかったです。形だけになっていたうちらの芝居が、ちゃんと役者の感情が伝わるようになって、イキイキしてきました。今まで自分では感情を入れているつもりでも、それは全然甘くて、もっと本気でやらなきゃなって思いました。
他のみんなもすごく楽しかったみたいで、1週間後の大会に向けて俄然ヤル気になってます! 先生に直していただくと、芝居が変わるだけでなく、自分の内面やチームの雰囲気にハリというか、ヤル気が出てくるので、すごく有り難いです。
この時間を生かして、地区では自分たちの芝居が出来るように、一人ひとり気合い入れて頑張ります!
本当に昨日は忙しいなかありがとうございました!
[PR]

# by tetsubin5 | 2009-09-26 22:21
2009年 09月 26日

■群馬県立前橋南高校演劇部/訪問

【日時】2009年9月6日
【会場】前橋南高校体育館
【作品名】原澤毅一/作「黒塚Sept」
c0209544_22152916.jpg

■【内容】 
役者の声とリラックスしている体にまず驚き、原澤先生の作品の尋常ではない不思議な世界をみて嬉しくなってしまいました。結局1本通しを見させてもらう格好になりました。c0209544_22161835.jpg
問題は台本のネライと演出の「中途半端さ」だけなので、全員でMiをさせてもらいました。
そのあと、それに添って体育館使用制限時間まで直しを実施。こちらの直しにもすぐ対応してくれる。すぐに流れにメリハリが出てくる。このままいけばかなり高度な表現まで可能なのではないかと思う。大いに楽しみ・・・・。
■【感想】原澤毅一先生(顧問)
芝居づくりに行き詰まり、弱気になりがちなこの季節に、とにかくほめていただいたことが何よりエネルギーになりましたし、問題点もズバリ指摘いただき、もやもやしていた不安・気持ちの悪さに、一つの整理がつきました。c0209544_22164651.jpg
生徒に感想を聞く時間はとれなかったのですが、「変わる」「つながる」「流れる」感覚を生き生きと感じている様子がうかがえました。今日練習場に行くと、早速、部員達が昨日の演出について真剣に議論していました。
演出以外にも若林先生にはいろいろと刺激を受けたようで、部員の顔つきが変わってきたのを感じています。ほんとうにありがとうございました。
こんなに主体的に生徒が芝居を考えてくれていることを顧問はありがたく思い、自分のことは棚に上げて好きにやらせてしまいました。わたしはどうも演出を逃げてしまう傾向があるようです。あと10日くらいですが、仕上げを頑張りたいと思います。
本当にありがとうございました。
[PR]

# by tetsubin5 | 2009-09-26 22:16