演劇のお医者さん(若林医院)

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2010年 04月 25日

■浦和北高校演劇部~芝居の直し

【日時】4/24(土)9時~18時
【場所】浦和北高校合宿所
【芝居】白壁裕/作「フラスコ・ロケット」
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●芝居の直しの条件はすべて変数だ。芝居の進度。役者の感度。モチベーションの深度。台本の善し悪し。練習場の環境など、いろいろ。私の体調さえも変数だ。しかもそれが刻々変化する。
その中で、始めて出会った人達の中身を変化させていく作業は、考えてみると果てしないものがある。
しかしそれをいったん引き受けて、練習の場に身を晒すと、そんなに難しいことはない。後は私の中の「無意識」が勝手にすべての変数を計算し、瞬時に私に治療の方法を教えてくれる。
後は若者達と呼吸を合わせればいいだけ・・・・。

●浦和北の生徒さんとの時間はあっという間だった。
朝9時から夕方の6時まで、一挙に終わった。夜秩父で劇団天末線の集まりがなければ、9時ぐらいまでは出来た感じだった。楽しい9時間だった。
1日あったので、芝居の基本レクチャーから始まって、どれだけ一人一人の型からの開放ができ、演じることの本当の快楽を手に入れるかをその目的にした。芝居への向かい方が一挙に変えられて、いま戸惑っているところだろうか?みんな素晴らしい感性を持っていた。「気」を外に向け、この感性を充分生かせればスゴイ芝居をつくれる人達になると思う。

c0209544_17543560.jpg■■【感想/富士縄英里・部長】
今日は稽古ありがとうございました。
相手・外に気を送り、驚くところはしっかり驚いて、シャクリ台詞を自然な感じに言えるよう、これからの1週間しっかり練習してやり込んで行きたいと思います。
今日はとても楽しくて、もっと練習したい!と思える稽古で、「演劇って、楽しいな」と強く思った1日でした。
先生から教わった事を身に吸収し、春、秋の地区大会とつなげていきたいと思います。

■■【感想/寺脇千恵・演出】
今回教えていただいた基礎を応用して本番に活かせるようにしたいです、いえ、します!
今日は本当にありがとございました!たった1日だったけれど、貴重な体験になりましたし、有意義に過ごすことができました。
あとはどれだけ私達が活かせるか、最後まで突っ走っていきたいと思います!!
そして秋季大会には上へ上へ上れるほどの力をつけます!!
何度も言うようですが、本日は本当にありがとうございました!
また、こういう機会がありましたらよろしくお願いします!!

■■【感想/鬼島栞・陸上部役】
今日は大変お世話になりました!今までいつも私は頭でどうにか演技をしようと考えていたのですが、今日の稽古でリラックスに自然と楽しく演技するのが一番だと分かりました。若林先生から直々に教わって自分の中に新しいキャラクターが生まれました。これから本番までの1週間、そのキャラクターをもっと色濃く演じられる様に頑張っていきたいです!本当に有難う御座いました。

■■【感想/山口寛子先生・顧問】
c0209544_17554919.jpg本日は、お忙しい所一日教えて頂き本当にありがとうございました。あっという間で、生徒達いや私自身も、生き生きと楽しく、そして真剣に取り組む事が出来た貴重な一日でした。
「イメージしてイメージを内から外へ出す」。これは基本的な事なのだと思いますが、「キャラクター」を確立することで、そうなっていると思い込んでしまっていたように思います。それが演技の幅や自然さや会話を成り立たなくしてしまっているのだと改めてわかりました。
今日処方して頂いた事を核にしてまた稽古を楽しんで行きたいと思います。本当にありがとうございました。

■■【感想/阿部先生・川越高校顧問】
▼いやいやいや、とてつもなく濃密で楽しい一日でした。
浦和北高校の皆さんは、明るくて礼儀正しくてやる気に満ちていて、演劇を楽しもうとする意欲に溢れていて、とても素敵でした。
さて、始めに通しを途中まで拝見して、本当ならもっと面白くなるはずの舞台が、いまいち沸き立ってこない。頑張っているのに、どこか空回りしている。真面目に努力を重ねている割りに、手応えが感じられなくて首を捻っている。そんな状態とお見受けしました。私も散々悩んで、悔しい思いをしてきたところです。
▼でも現在、若林院長に教わり始めて、私にもチョットずつその理由が見えてきた気がしています。
それは
1.一人語りの一人芝居が多い
2.台詞のシャクレ
3.演技が段取りになっている
の3点。
2.は、1.の結果、相手と繋がれない気持ちの悪さを何とかしようと、台詞を喋ることに一所懸命頑張る余り、必然的に陥ってしまう落とし穴。
3.の現象は、1と2の結果で芝居が弾んでこないけど、何とか頑張って楽しい芝居をつくろうと、アレコレ相談して工夫して、自分たちで考えた動きを何度も何度も繰り返しているから。なのだろうと見当が付きました。
▼幸いなことに、若林院長も大体同じ事を仰っていたように思えます(ですよね?)。
しかしながら先生は、あっという間にそれを直してしまわれました。私ではまだ、とてもあそこまで徹底的な荒療治はできません。シャクレを直すことくらいならできそうですが、そんな小手先のことより、若林院長の治療は徹底的に本質的で、しかも大胆でした。
まず気持ちを外に向けて、相手としっかり繋がること。そうして太い線を作れば、一人芝居になんかなるはずもなく、段取りなんか頭で考えなくとも、気持ちで繋がっていれば勝手に身体が動いてくれること。
たったこれだけの、しかしとても大切な基本を、豊かなイメージと豊富な引き出しを駆使しつつ、キャストの懐に飛び込んで、グイグイ反応を引き出していきます。多分生徒の皆さんは、先生にからかわれながら直されたりいじられたり叩かれたりするのが楽しくて仕方なかっただろうと思います。私も気がついたら、ドキドキしながら笑い転げて引き込まれていました。9時間があっという間でした。
▼患者の患部は見えていて、治療の方針までわかっていながら、私と若林院長との差は一体何なのでしょう。実はそれを今、考え続けているところです。

■■【感想/田村安弘先生・顧問】
▼若林先生、まる一日、ほんとにありがとうございました。関越飛ばして、朝一から来てくださって、ほんとにありがとうございます。お天道さまも晴れて、今日はいい天気です。願いが叶ってうれしい、あふれてほっとです。一緒に作ってく、新しい生き生きが生まれてく、その瞬間が、次から次へと、今ここにある、その、ありがたいしあわせです。阿部先生にも、茂木先生にも、御法川先生にも、遠藤先生にも、ありがとうございます。山口先生と部員たちと浦北で、この一日にめぐりあえたこと、なによりの喜びです。若林先生の演劇に、同じ空気の中にいられたことに、生徒たちと一緒に存在躍動してるエネルギーに溶けていけることに、大感謝です。
▼若林先生、重ねて心よりありがとうございます。おまんじゅうもいただきます。一日中、9時から6時すぎまで、あふれでる数々、刻んでみます。一人一人はいい。もっとおもしろくなるんだけど。表面でやってる。がんばればがんばるほど、はずんでこない。ばーんともりあがって、ふーっと消えちゃう。セリフの、出はいり。
けど、落ちちゃって、ぐーんとあがる、じゃなくて、ふつうに言ってると、生きてる。上から落ちちゃってると、はねあがって、どーんどーんと、床に落ちちゃう。
▼人間のイメージは強い。外側からやってくる、強いものがイメージ。気を外にもってくる。あれっ、から始まる、びっくりする、おどろく、ふりむいたところから始まる。気をそこへもっていく。むずかしく考えないでイメージする。妙にそれっぽくやらずにふつうにやる。肩の力抜いて、自由に、ぐにゃぐにゃ、こんにゃく。とぼけてるほうが勝ち。力ぬけてる。空間、時間、関係でつくっていく。お客がどう感じてくか。何をお客にみせるか。一個一個のセリフをやってく。一番言いたいこと。自分で説明しようとしている、相手に気がいってない。とぼけてやると笑い取ってる。一人芝居どんどんやってると、客が遠のく感、しらけちゃう。自然。一人で芝居しない。ピストルうつように、相手にセリフいれる。外にある、ドキッとするようなセリフ。うまいへたでなく、イメージをもってc0209544_17571987.jpgいく。相手に言う。相手がいなくてもいるかのように、シャドウを家でやってくる。相手に言ってない人は、シャドウできない。人に気をもっていく、イメージをそこにもっていく。魅力的にする。気持ち悪いのはだめ。のっかってく、やわらかさ、自分を守らない、さらして。一人だけ芝居でなく、二人の間に、たちのぼる関係が生まれて、エネルギーになるのが芝居。外側の言葉に気づいて、していく。セリフおぼえてきて、つくってきて、どっかできりかえていく。余計な意識はしない。見ない、見ると弱くなっちゃう。あたしは何をしたいのか・イスにすわる・かばんをなげる・外側に中心をおくと余計なものを見なくなる。キャンキャンいってるだけじゃなくて、相手に入れば楽しくなる。おしばいから演劇に。気持ちは自分の中からはつくれないから、外側にあるものを見てつくる。相手と関わる、あいだが、大事。心で笑ってても演技のスイッチいれる。説明・自家発電演技しない。何もしない。力抜ければ抜けるほどお客はくる。とぼける。笑っちゃう。セリフは上から。下からいかない。リラックスしたほうがつよい。楽合戦、こんにゃく合戦、ベースはこんにゃく。とぼけて上から。芝居の中心はどこ。あんまり声ださない、息声のほうが響く。空間があいたら、そこにいって、空気かきまぜる。やだよそんなの・生きた人間どうし、自分の中にその人と同じものがあって、自分をみているような気がして、キライなんだ。普通に。楽。関係をつくってる。場の中心。頭でやってると出てくるけど、出てこないのがいい。すごいびっくり、一番大事なとこ。誰に何が言いたいか、だけ。セリフおっこちない。V字にならない。前へ。とぼける。あれっと驚く。・・・・
▼若林先生ありがとうございます。みんなで、新しい、やってみる、に挑戦してる、今。ほんとにほんとにありがとうございます。すべてに、生かせるように、楽しく楽しく、弾んで、演劇していきます。今後とも、どうぞよろしくおねがいいたします。
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# by tetsubin5 | 2010-04-25 17:57
2010年 04月 23日

■川口県陽高校演劇部/本番前の直し

【日時】4/22(木)16時~19時
【場所】川口県陽高校演劇部・練習場
【芝居】「如月」 小田夏未/ 作
◆本番~4/25南部地区春季高等学校演劇発表会 本番13:00~ 戸塚公民館
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●久しぶりの大降りの中、埼玉の一番南の川口に行って来ました。
生徒さん達は、みんな個性的でいっぺんで気に入った。
最初の挨拶の時は、みなさん緊張していて、最初の15分ほどの通しも堅い感じでした。ところが直しを開始した途端、素晴らしい食いつきで、見る間にイキイキはずんできた。
本番を日曜日に控えていて、ほとんど通しだけの練習になる時期なので、直しも慎重に、本番にいい影響を与えるところ、即効性のあるところだけをと思いながら臨む。
自分の外側に「気」を持っていき、それに新鮮に反応することを要求の中心にすえ、そこから自然にこぼれる効果(台詞の波、台詞立て、豊かで自然な間など)を期待したのですが、みんなリラックス度が上がるにつれかなりの効果が出てきたようだった。本番にどれだけ生きるか。これからどんどんいい芝居ができるメンバー。県陽の皆さんの、自分の内部を捨てて「外側に体を投げる思いきり」を期待したい。

■■【感想/御手洗舞香】
c0209544_13221294.jpg自分では今まで気がつかなかったことを教えていただけて、これからの私の演劇が大きく変われそうな気がしました!
楽しく稽古ができて、私だけじゃない、部員全員も喜んでいます。
これからも機会がある度にご指導よろしくお願いします。
今回は本当にありがとうございました!!!

■■【感想/顧問・萩原康節】
若林先生がメールで県陽の稽古を観ていただけるとお聞きしてから、今日の当日をとても楽しみにして来ました。本日は冷たい春の雨の中、若林先生は、はるばる埼玉県の南の端の県陽高校に来てくださいました。
時刻は四時半。すでに大道具は立て込んでおいて、役者も音響もスタンバイの状態でした。

まずは序盤、15ページほど通して芝居を観ていただきました。今回の県陽の芝居は新二年生が書いたオリジナル創作脚本です。全体的にストーリーの甘さや、まだるっこしいセリフは多々ありますが、丁寧につじつまを合わせて、何度も書き直しをさせた苦労の結晶です。
そんな拙い台本でありますが若林先生は、事前に送ったその台本をしっかり読み込んでいるご様子で、作者の小田に執筆の苦労をねぎらっていらっしゃいました。

さて稽古はいきなり本題から入ります。
県陽の役者の演技は、現段階でまだまだ固さが残っており、セリフを覚えて段取りを決めた感じが、演技の中に残っている状態です。まずは若林先生はその固い感じをほぐしておられたように思います。

▼①セリフの前に「あれっ?」という驚きを作って、自分の外に意識を置く。
県陽の役者はこれまで、「自分の感情をしっかり認識してセリフに乗せること」を練習して来ましたが、それは目の前の役者に対してしっかり目線をつなげて、セリフを伝えるというくらいの段階でした。
それは勢い舞台上だけのセリフのやり取りにつながり、客席にはセリフも感情も伝わらない、という状態を生み出していました。それでも、それ以前は、感情のこもらないセリフをやりとりしていたので、それからひとまずは「目の前の役者に伝えること」に取り組んだのです。
若林先生は、その現状を把握した上で、次の段階への取っ掛かりを示してくださいました。
それが「あれっ?」という驚き感情で「気づき」のきっかけをセリフに与え、それぞれのセリフが発せられる必然を役者に与えたということです。「自分の内部に感情がくすぶっていた」県陽の役者のセリフは、このきっかけを与えられたことによって、やっと少しだけ『外』に向かい始めました。
次にセリフを交わす役者同士の視線をつなげて、セリフを受ける役者のセリフに対するリアクションを確認。
続いてリアクションはその場に居る役者全員にも求める。そうやって生きたセリフがその一つの場面全体を満たし始めると、やっとセリフが少し客席に届くようになってきました。

▼②セリフの癖を直す。
今回の稽古でも、生徒は個々のセリフの癖を直すのに四苦八苦していました。
セリフを言い切る前に高低で戻せない所まで落ちてしまっていて、それをセリフの途中で無理やり上げるために生じる「しゃくり」。自分独特の節回しでセリフを言っているのに、それに気づかない「歌い」。セリフに感情がこもらない「棒読み」。それら一つ一つの癖は、指摘された役者本人に自覚がないため、
まずはそれを役者に気づかせなければならない。さらに厄介なことには、自分が気づいたところで、その癖を直すのはなかなか難しい、ということです。稽古の短い時間の中でそれに気づき、自らセリフを修正のは本当に難しい。それでも繰り返しを恐れずに取り組まないと、気づくこともできない。
セリフのリアリティは役者のリラックスと、感情と、自然な会話のニュアンスを舞台レベルの音量で再現することだと感じました。
感情を込めることに没頭すると力み、セリフに変なゆがみが生じる。それが癖になっているのだと思うのだけれど、力んでセリフを言うのは、ある意味、高揚感とか達成感があって、役者としては快感なんですよね。
うちの役者には、それを捨てることにもためらいがあるのが分かりました。
でもそれがあるうちは、客席にはセリフは伝わらないようですね。

▼③テンポと間
驚きの後には間があり、次のセリフへの客の集中をうながす。
驚きの程度も様々で、軽い感じも大きい感じもある。それによって間のニュアンスも変化する。
大きい間の前には落差をつけるためにテンポの良いセリフでつなぎ、一番印象的な部分を客をぐっと引き付けるために間を取る。テンポを出すときは前の役者の語尾を食う感じで。
それも全部、一番伝えたい部分へとつなぐための伏線。
そういうことも意識を自分の外へ置くことの一つだと感じました。

▼④セリフを立てる
しゃくらずに高低を使っていくことだけに気を取られると、どうしてもセリフが単調になりがちだ。
それにアクセントをつけるのがセリフを立てることだ。しかしそれも自然な会話のニュアンスの中で行わないと、やっぱりしゃくってしまう。役者の感情にだけ演技を頼るのはやはり問題があるようです。

▼こうしているうちに二時間半はあっと言う間に過ぎてしまいました。
本当はもう少し、シリアスなシーンでのセリフのやりとりを、見ていただきたかったのだが、その時間は今日は無かった。
それでも生徒たちは何かつかんだようです。本番は3日後ということで若林先生も気を遣って頂いたようですが、次は容赦ない厳しい稽古もしてもらいたいです。
本日は大変ありがとうございました。
日曜日の県陽高校の本番、精一杯頑張りたいと思います。
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# by tetsubin5 | 2010-04-23 09:46
2010年 04月 18日

■劇団シナトラ/芝居直し

c0209544_21545878.jpg【日時】4/18(日)14時~18時
【場所】籠原公民館
【芝居】堤靖之/作「煙が目にしみる」
■■公演日
7/3(土)開演14:00,19:00
7/4(日)開演13:00,17:00
■■公演場所
深谷市・七つ梅酒造跡

●劇団シナトラのためのような、ピッタリの台本。
いつものリラックスした空気の中での小返し。演出の岡田さんに誘われて、ほんの少しのつもりが、4時間もの若林演出をしてしまった。
もともと経験豊富な演技人なので、芝居の線をしっかり通し、観客の心を切らさない細かい演出を心がけた。芝居が本当に好きで、しかも年配の方々が多いこの劇団の雰囲気はとてもいい。実年齢の役をそのまま創造空間に封じ込められる快感は捨てがたい時間だった。
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# by tetsubin5 | 2010-04-18 22:10
2010年 04月 18日

■秩父農工科学高校~熊谷春季大会・観劇

c0209544_21414256.jpg【日時】4/18(日)
【場所】八木橋カトレアホール
【芝居】コイケユタカ/作「マドカ3050」

●新しい年度の芝居が始まった。
30分ばかりのライトな芝居で、練習時間も新入生勧誘にとられて十分でなかったわりには、まずまずの出来だった。しかしだったらもっと開き直ってリラックスして暴れた方がよかったかも・・・。
そうすればもっと観客を引きつけられたのでは・・・。
次回は、練習に時間をたっぷっりとって、ギャグではなく本格的に観客を引きつけられる時間を創り上げる事を期待したい。
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# by tetsubin5 | 2010-04-18 21:50
2010年 03月 16日

■県立坂戸高校演劇部/本番と芝居の直し

【日時】 2010.3/15(月)
【場所】尚美学園大学/演劇演習室
【芝居】「カササギアカサギシロウサギ」
●スケジュ-ル
10:30~13:00 練習(ひと月程度芝居から遠ざかっていたので、肩慣らし練習)
13:00~13:30 「本番」(劇団SHOWを観客に本番をみせてもらう)
13:00~14:20 「本番後の直し」
14:20~14:50 昼休
15:00~16:40 劇団SHOWの「試演会」
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●芝居から遠ざかっていたことを割り引いても素晴らしい出来だった。
二人とも本当に芝居が好きだということも伝わってきたし、ずっと見やすい芝居になっていた。
●だとすると、今度はもう少しレベルを上げて教えたくなる。
今二人に足りないのは、舞台から客席に伝わるエネルギーだった。
まだ、自分の頭の演技で終わっている。自分の頭は置いといて、目の前の事柄に新鮮に驚いていくと、演技が途端に豊かになる。
頭の演技からは、勢い単調な音域と、単調なリズムしかでてこない。c0209544_1027311.jpg
●短い時間だったが、素直な二人は何かを掴んだようだ。
自分たちの芝居をもう一つ突き抜けるために何が必要なのか?
頑張れ、二人!

■■【感想/鎌倉さん(坂戸高校演劇部)】
今日は劇を観ていただき有り難うございました。
前回直していただいた事が全部活かせたかどうか分かりませんが、本当に芝居を生き生きと演じる事が出来ました。
発音の細かな音程から視線まで、今まで気付かなかった事を教えて頂いて本当に感謝しています。
若林先生のお陰で、いままでよりずっと、演劇をする楽しさや喜びを知る事ができました。
ありがとうございました!
また、今日は劇団SHOWの芝居まで観せてくださって有り難うございました。
まだまだ完成段階ではないとの事ですが、とてもお上手でした! 本番がとても楽しみです。

■■【感想/神道さん(坂戸高校演劇部)】
私の、セリフを言うときに変な動きをする癖や、高い声低い声を上手く使うなど、これからの練習の具体的な課題を作ることができました。c0209544_1028496.jpg
セリフに強弱を付けると感情も解りやすくなり、また、ひとつひとつのセリフに違う感情があるので細かく作り込む事ができそうです。
それに、皆さんのお芝居まで見させていただいてすごく面白かったです。
本番とても楽しみです! お忙しい時期なのに本当にありがとうございました。

■■【感想/柿崎(坂戸高校演劇部顧問)】
▼私が一番指導に困っていた台詞の話し方の指導は大変勉強になりました。
わずかながらももう一段上の段階のアドバイスを受けられたことが素直にうれしかったです。
学校では成績処理の真っ最中でなかなか事後指導ができていないのですが、素直に吸収してくれることを期待しています。
▼劇団SHOWのみなさんとの合同練習はとても楽しかったです。
また機会があったらぜひまたご指導をお願いします。
▼劇団SHOWの通しはとても印象に残りました。言い忘れたのですが、ラストで家族がストップモーションになっている場面などは蝋人形かと思えたほど不気味でした。それがラストの扉につながるあたりは戦慄を感じました。また蛍光灯の明かりとの「コラボ」か、着ている服の色がとても効果的に見えました。以前観た芝居ではありますが、違った芝居として新鮮な気持ちで観ることができました。本番を楽しみにしています。
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# by tetsubin5 | 2010-03-16 10:21
2010年 02月 11日

■県立坂戸高校演劇部/芝居の直し

【日時】10.2.11(木) 13:30~16:00
【場所】坂戸高校視聴覚教室
【芝居】演劇部/作「ゆうじとあきこ」
【形態】劇団SHOWの練習場所も朝から確保してもらい、結局は午後から合同練習会のような形になった。
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●部員女子二人だけで、自分たちで台本を書き、坂戸市からの依頼で、2/14(日)に北坂戸文化会館で本番。もちろん芝居としてはまだまだ幼いのだが、二人ともとても柔らかい感性と、素直な性格で、私の要求をどんどん吸収していく。また、本番前なので、あらかじめイイ芝居になる効率を考えて要求を出してはいるのだが、それにしても素直な集中があり、育て方によっては素晴らしい表現力をもつ可能性が感じられた。
楽しい2時間半であった。

■■【感想/坂戸高校演劇部顧問・柿崎先生】
c0209544_19335081.jpg▼最初、先生に見ていただく前は「これをみせていいのだろうか」という不安でいっぱいでしたが、劇団SHOWの皆さんが最初から笑っていただき、なんとか通せました。
そのあと2時間にわたって指導をいただいたのですが、みるみるうちに若林マジックにかかっていくのがわかりました。私自身もかかってしまいました。
▼指導内容は決して奇抜なものではなく、関係性の確認や話し方のチェックなどでしたが、あらためて基本の大切さを感じました。生徒をのせていくのが大変うまく、そこが私とは決定的に違うところで反省しています。学生さんと交流も持てたのも励みになったようです。
▼先生がお帰りになった後の通しも、「落ちて」いませんでした。
二人とも話し方・動きなど戻っていませんでした。
次の日の通しは「落ちる」と言われていたのですが、かえって盛り上がりました。
調子に乗ってかなり手を加えて、大変いい感じで本番を迎えられました。
細部はともかく、のびのびと演じていました。
今回は本当にありがとうございました。

■■【感想/坂戸高校演劇部・神道理美】
c0209544_20155991.jpg▼若林先生に指導していただいて、前よりずっと楽しく演じることができるようになりました。
特に後半、テンポを早くすると、いままで少し考えながらやっていたのがなくなり、とてもやりやすくなりました。そして何より楽しくできました。
▼前半も、しっかり出せなかったゆうじのキャラを出してくださり、私自信もゆうじのキャラや感情が解りやすくなり、とても演じやすくなりました。
演じやすくなると楽しくなり、楽しくなるともっと演じやすくなりました。
寒い中でわざわざ来てくださり、ご指導までいただき本当にありがとうございました!!
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# by tetsubin5 | 2010-02-11 23:22
2010年 01月 06日

■秩父農工科学高校/自主芝居の直し②

【日時】10.1.5(火)10:00~16:00
【場所】秩父農工科学高校・清心館ホール
【芝居】別役実/作「帽子屋さんのお茶の会」

■■【内容】
c0209544_2162228.jpg●年末に引き続いて、年明け最初の直し。やはり1週間のブランクは大きい。高校生に年末のテンションを保つことはとうてい無理な注文。細かい直しは出来ず、一人一人の「演技ベース」の直しに終始した。「自分の「感じ方」も含めて、自分の外側に気持ちを集中する子持ち良さ」に加えて、「台詞立て」を少し強調して教えた。市民会館の大きな入れ物に耐えるだけの表現の大きさが今から必要だから・・・・。
●「スポット0号」の編集に携わっている半田桂子さん、堀口町子さん(ともに1962卒、な、なんと48年前!)がその編集Miで来校して頂いた。現役の連中にとってはいい刺激になってるはず。

■■【感想/あおばしおん(演出)】
▼Miでも言いましたが、みんな全部は掴めなくても、キッカケを掴めたんじゃないかと思います。
特に今日はあかり(うさぎ)がよくなったかなと思います。「ジャパネット」をキーワードにした瞬間、いい台詞が出て、びっくりしました。あかりのあんな台詞を聞いたのは私も初めてだったので、嬉しかったです。
▼他のメンバーもそれぞれよくなったと思いました。雄一はOPの出も、あたふたが自然になって、とても見やすくなったと思います。長ゼリはびっくりを入れることで大分セリフがよくなったなと思いました。
みちるは低いところを使えばビンッと響くし、スゥっと入っていく感じがしました。
c0209544_2173363.jpg▼あとは、全体的にびっくり(ハリ)が強くなってきたなと思いました。やっぱりハルことで、芝居がいきいきと活気づいてきて、見ていてもやっていても、ワクワクする感じが出てくるので、改めてハリはとても重要なことだと実感しました。でも、まだまだ全然足りなくて、もっともっともっとハレると思うので、これからの練習で、意識してやって行きたいと思います。
▼「ジャパネット」と「ハリ」を主なキーワードにして、自主公演まで、突っ走りたいと思います。
あと、今日は時間がなくて、私は直していただけなかったので、今度来て下さったときは、是非是非お願いします!
■■【感想/高木佳織】
年末年始の2日間、先生の直しをうけて、あかりも言ってましたが、やらされてる感がなく、とてもスッキリしました。今日の直しで、セリフを直していただきました。2フレが落ちているという自分の弱点に気付き、ちゃんとタテられたときの感じがつかめるようになったので、それを自主までの目標にしたいと思います!!
■■【感想/池田雄一】
▼先生の直しを受けるのが約1年振りで、前日から期待で一杯でした。先生に直されると、演技に活気が出ます。それは自分のみでなく、周りのみんなもそうでした。でも確かにセリフを言ってて気持ちが良いですし、テンションも上がりました
▼自分は最初一人演技なので、相手が居ない状況でセリフを喋るというのはこの芝居での初の試みなので、いろいろと難しかったです。でも先生に直されて、整理が出来たので良かったです

■■【感想/萩尾みさり】
c0209544_2191397.jpg▼12/28(月)の練習の感想
演技中かなり走り回った印象が大きくて、自由な感じでできるようになりました。前は一部分だけ動きが大きかったりで装置やその回りをあまり利用出来なく終わったりしてて、勿体ないと思っていたんですが、世界一の若林先生に指導してもらい、皆さんもテンション高くやっていたので、自分も楽しくテンション高くやることができました。たてとかは、自分は全然分からなくて、出来てないのですが、気持ちとテンションが上がっていれば自然になると教えていただいたので、そこから頑張りたいと思いました。
▼01/05(火)今日の練習の感想
自分は最初の登場を直していただいて、前は初めの登場がスキップやら何やらで動きは大きかったのですが、何か自分がやると不自然になってしまうなぁーと思う所もありつつやっていました。で、若林先生に登場の仕方を変えていただいてやってみたら前よりは自然に出来てやりやすかったのは、ありました。
それから、最終のセリフでお客様に問いかける所とかは、自分でやっていて、難しいさもあったのですが楽しさもあって、それに「私は、、アリスです」のアリスまでの間が自分的に怖ったですが、楽しかったです。
バカ間は、嫌ですけどそういう間は劇にも大切なんだぁと思いました。
だから、怖がらず思い切りあけるときは、あけたいとやってて思いました。
あと、「えっ」とか「あっ」とか、最初の気づきがあった方のがセリフも言いやすいし、自然なセリフになっていいと感じました。
その声が小さいと意味がないので一つのセリフとして使っていきたいです。

あと、個人的には、あかりが同じ1年なのに、今日のでかなり伸びててスゴイなって思ったのと同時に自分も頑張らなきゃって気持ちがかなり高くなったので、これからの練習に宇宙一の若林先生に教えていただいた、2音目をあげるということも忘れず自主公演若林先生にスゴイじゃんって言われるような芝居にしていきます。

■■【感想/深田朱梨】
▼始めの「入り」の所は、今までは恥ずかしさがあって中途半端でやりきれてない感じでした。直しを受けるまであんなに元気な「入り」のイメージは全く頭に無かったのでもっと頭を柔らかくしなくてはな…と思いました。やっているうちにだんだん理解してきたと共に、頭で段取りや動きを考えるようになってしまってたので気持ちをもっと出さなくてはいけないと思いました。
▼昨日は前にお願いしたように、台詞立てを教えていただきました。ありがとうございました。何度も教えていただき、台詞を立てるコツはつかめました。ですが自分で言っているのが良いのかがわからないです。しかしスッキリ言えた感じがしました。
▼ロブも使えて良かったです。お腹から声を出す感じが気持ち良かったです。台詞も喉に突っかからなくなりました。
▼オープニングの雄一先輩のあたふたする動きも自然になってきました。
▼生徒だけの練習の日も昨日みたいに応用して充実した一本にしていきます。1月31日に進化した帽子屋さんを出来るように、自主まで突っ走ります!
c0209544_2194610.jpg▼昨日の大事な所
・笑顔、口角キープ
・二音目、2フレを立てる
・ロブ意識でお腹から声を出す
・ジャパネット意識で台詞を言う
・動きを大きく
・舞台を上手に使う
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# by tetsubin5 | 2010-01-06 21:12
2009年 12月 29日

■秩父農工科学高校/自主芝居の直し①

【日時】09.12.28(月)10:30~14:00
【場所】秩父農工科学高校・清心館ホール
【芝居】別役実/作「帽子屋さんのお茶の会」

■■【内容】c0209544_9192282.jpg
1年生を入れて、1/31の自主公演のために組まれた芝居。みんなやる気十分で、こちらも気持ちよく直しに集中出来た。
▼ただ、全員自分の頭の中に感心があるので、一生懸命やればやるほど芝居が膨らんでこない。真面目に取り組んでいるのに、ウキウキ楽しくなってこない。治療は簡単だ。気持ちのベクトルを自分の頭から、自分の外側に向かわせ、素直に驚く回路を回復させ、外の世界に心を繋げてやればいいのだ。簡単なこと。途端に「アレッ、面白いじゃん」となってくる。そうならないってことはまだ「自己中」をやってるだけなのだ。
▼しかし、その面白さを実現させるには、「呼び水」が必要だ。こちらの「体」と「こころ」を直接使って、伝染させるしかない。ただ言葉でそのからくりを説明しただけでは、いつまでたっても結局教育的な「待ち」に逃げるしかないからだ・・・・。
▼正味3時間でたったの3頁。これが来年の1/5の「直し②」にどう繋がるか、今から楽しみだ。

■■【感想/深田朱梨(1年)】
c0209544_922496.jpg▼今日は帽子屋さんの芝居を直していただいて本当にありがとうございました。
書きたい事が沢山あってうまくまとまっていない感想ですが最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
▼今朝、若林先生が来ると聞いたときは、先生の直しに応えられるか心配でしたが、楽しみでもありました。受けてみると、やっぱり先輩方から聞いている通りとても素晴らしい直しでした。自分は今日初めてちゃんと先生の直しを受けられました。かくれんぼの隠れるときの表情や先生から良いと言われたところは確かに自分でやっていても他の所と比べて違和感が無くできてたと思います。その反面、自分でセリフなどが言いづらい所はお客さんにも届いてないんだな…と思いました。
▼立ち稽古をやってみると、先生がいるだけでテンションがあがったし自然と目や体や心がいきいきしてきました。若林先生のやり方全てが自分にとって初めてだったので斬新で先生の世界に吸い込まれるような感じで感動しました。今日は一部だけしかできなくて残念でしたがその分内容が今までに無いくらい濃密な練習で休憩時間過ぎてお腹が空いてるのも忘れる位稽古に集中できました。「驚き」はすごく気持ちがいいし今日やった所は、相手にセリフを入れる感じがわかったのでそれを芝居全てに使えたらいいなと思います。文化祭のDVDを見て、自分のセリフの聞きづらさに自信を失っていた時に先生に来てもらえてすごい心強かったです。
c0209544_9234345.jpg▼あと、ほとんどのセリフが言いづらいのですがどうすれば言いやすくなるのでしょうか?喉に声がつっかかる感じで言いづらいです……。いつになってもいいので教えてほしいです。セリフを立てるのもわからないです。
▼先生に誉められると、足の裏から、心の奥から嬉しさが込み上げてきました。先生が帰るとき、握手とぎゅーってしてもらえて心がほっこりしました。今の三年生が引退してからも是非来ていただきたいです!今日で年内最後部活でしたがそんな重要な日に若林先生に直していただいてとても意味のある日で会えてよかったです。
▼今日、忘年会の後に農工ダンスを六回(以上かな?)位連続で踊りました!疲れましたがすっごーーくダンス楽しかったです。思うままに大声だして体を大きく動かしてリラックスして…それを芝居でやったら絶対いい芝居になるなとダンスから学びました。今度先生とも一緒に踊りたいです。
▼今日学んだ事は、・沢山驚く!・大きく驚く!・相手に集中!・沢山とぼける!・セリフは落ちないように!・リラックス!・テンション高く!
▼1月5日、自分たちは今日OBのだいちゅう先輩に言われたように先生に挑戦します!ですのでシャドーしたり台本読んだりします。またお願いします。先生に直していただけるのを楽しみにしてます。本当にありがとうございました!

■■【感想/守屋美来(2年)】
チシャ猫役の守屋です。c0209544_927266.jpg
久々に若林先生のなおしを受けられてすごく楽しかったです!今まではセリフを言ってもいまいちスッキリしなかったのに、若林先生になおしてもらったら胸に何も残らず、すごくスッキリしました!しかもやってて楽しくなってきて、演技中胸がドキドキしてました!休みになる前になおしを受けられてほんとによかったです!休み中も忘れずにシャドウをやろうと思います!
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# by tetsubin5 | 2009-12-29 08:38
2009年 11月 23日

■劇団シナトラ・プロデュースvol.3/観劇

c0209544_2047581.jpg【日時】2009.11/23(月)
【場所】旧七ッ梅酒造跡
【芝居】中島淳彦/作「酒坊ちゃん」

●いやあ~、面白かった。ダメな男達が、実年齢で登場。ぐずぐずダメさをさらけ出しながらの2時間半。少しも飽きずに見られた。私が数週間前に練習に参加させてもらった頃と、雲泥の差だった。
間とか、台詞とか言う前に、とにかく「その人がしゃべってる」のがよかった。
前日までさいたま芸術劇場で高校生の県大会の芝居を10本も見てきた私にとって、「芝居の喜びと快楽」を改めて感じさせられた本番だった。「その人から発せられる台詞」はどうしてもこちらに浸みてきて、いつの間にか芝居に参加させられてしまう。「高校生の等身大の芝居」という言葉はよく使われるが、これは文字通りc0209544_204906.jpg「大人の等身大の芝居」だ。いつもどちらかというと若者とつき合っていて、それはそれで魅力的だと思っている私にとっても、かなりの時間を人生と格闘してきた、汗と油にまみれた大人を演出する体験はホントに魅力的だった。その人の人生の時間をそのまま芝居のエネルギーに入れ込めるからなのだろうか?
「その人が言う」魅力は、うまい下手をかなり簡単に超越してしまう。
そう思って、改めて芝居の神様に感謝、であった。
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# by tetsubin5 | 2009-11-23 20:51
2009年 11月 23日

■第58回埼玉県高等学校演劇中央発表会/講評文掲載

c0209544_0483546.jpg【日時】2009.11/21(土),22(日)
【場所】彩の国さいたま芸術劇場大ホール
【大会結果】
●最優秀賞 筑波大附属坂戸高校
●優秀賞1席 秩父農工科学高校
●優秀賞2席 川口高校
●創作脚本賞 大宮開成高校/高橋一喜「monologue」
●創作脚本奨励賞 久喜工業高校/演劇部「しあわせや」

【内容】
■■【はじめに】
▼埼玉新聞掲載の講評文は敢えてほとんど「誉め」に終始した。これは一重に当該校での宣伝材料にしてもらうため。従って以下の講評は少し辛口の講評になるが、「こうすればもっとよくなる」的な指摘なので、当該校は「なるほどな」と思うとこだけ取り入れてもらえばOK。
▼全体的にはいわゆる「シャクリ台詞」が多いのが気になった。会場一杯に届かせようとして怒鳴ったり、甲高い声になったりすると間違いなく「シャクリ台詞」になる。これは誰かに言われないと自分では気付かないことが多く、さらに困ったことは「相手の体に台詞が入らない」ことです。というか相手に入れようとしない結果「シャクリ台詞」が生じるのかもしれない。ここをクリアしないと、芝居の本当の快楽が手に入らないと思うのだが・・・・。
▼先週、徳島の県大会の審査員をやりました。一部を除いてほとんどの学校が「シャクリ台詞」の洗礼を受けていました。その中で、二人の男の子(A,Bとします)に惹かれました。両方とも脇役で余り目立たない役柄で、しかもおまけにA君は声も小さかったのですが、自然な物言いだったので、A君が話し出すと観客が反応し出し、その芝居では少なからず唯一笑いを取っていました。一方B君は演技があまりうまくはなかったのですが、持ち前の低い声で、全部観客にしっかり台詞が届いていたので、やはり他の役者にはない反応と笑いをとっていました。
▼台詞はなるべく自然に、しかも相手に入れることと、出来るだけ低い声をベースにすると「シャクリ台詞地獄」からは逃れることが出来ます。(人間の地声は思ったよりかなり低めです)これは解れば簡単なことなのですが、しかし実際にやらないと解らないことなので、必ず顧問の先生や第三者に聞いてもらったほうがいいと思います。

c0209544_20571879.jpg■■①【新座柳瀬高校「修学旅行」畑澤聖悟/作】
▼舞台美術が修学旅行用の旅館らしく、よくできていた。ただし、入り口の柱を太くするとか、廊下をもっと広くするとか、部屋の入り口付近の処理をもっと丁寧に作れば完璧だった。
役者の声も比較的よく通っていて、特に班長のヒカル(山本実果)の声が素晴らしかった。生徒会長のノミヤ(柴田小百里)の自然な演技が芝居を引っ張っていた。
平和教育の沖縄修学旅行。旅館での非平和的行動をイキイキと描けるかがこの芝居の勝負どころだが、同部屋の5人のキャラクターもよく表現されていて、高校生たちの間の修学旅行の葛藤が笑いの中によく表現されていて、心地よい芝居だった。
▼若干、音響が遠慮がちで、もっと堂々と主張してもよかった。
役者も全体的にもう少しリラックスしたら、もっと高校生の豊かな生命力とユーモアが表現できたと思う。 

c0209544_18203317.jpg■■②【大宮開成高校「monologue」高橋一喜/作】
▼作者はおっさん役の高橋一喜君。言語感覚が素晴らしかった。しかし芝居の台本としては文学的すぎて、しかもしゃべりすぎ。構造も甘い。ちゃんと基礎から勉強すればいい「書き手」になるかもしれない。
役者の声も素晴らしく、特に柴崎(野澤智媛)と光一(中濱慎平)の声がよかった。高く叫ぶ声は喉を詰めてしまい、こちらに届かなくなるが、低い声は二人ともとても魅力的だった。2音目や2フレーズ目で床に落ちてからシャクッてしまういわゆる「シャクリ台詞」が補正出来ればもっと観客に浸みた芝居になると思う。また、おっさんの年齢をもう少し表現して欲しかった。
▼台詞はテンポがよく、気持ちよかったが、大事なところでもっと溜める間も欲しかった。ときどき観客を置き去りにして芝居が進んでしまうこともあった。光一と柴崎、光一とおっさんの間の感情の交換や、関係がもう少し表現される余裕が欲しかった。
▼転換時には音が欲しかった。無音の転換は、観客は何も見る物も聞く物もないので自分の現実に帰ってしまう。もっと場面を積極的に繋ぐ、しかもセンスのいい音響が欲しかった。また2度の事故の音響は、もっと残響を残して欲しかった。
▼紙風船の扱いや、舞台袖で破れる音、また時制の戻りなど、未消化な部分が目立った。
▼装置については、三つの場所にある、共通する白い箱は効果的ではなかった。それぞれ教室や空き地や部屋に見えなかった。それぞれの場所を象徴するリアルで簡単な物を置くだけでもよかったのではないか? お爺さんがいる自宅の部分はもっと奥に置いて、奥行きが欲しかった。

c0209544_20583690.jpg■■③【県陽高校「月空の果て」Y・H/作】
▼女子だけで、あえて男の世界、剣を持つ武士の世界を描いたこの芝居は、まるで宝塚を見ているようだった。丹念に練習を積み、そのある意味特殊な世界をよく表現していた。装置も左右からの高台をつくり、月やぼんぼりを配して、音響と共によく雰囲気を出していた。役者もそれぞれ力演だった。特に大石忍(細谷志穂)の声と立ち振る舞いは素晴らしく、信輔(佐藤真由子)も若々しいエネルギーで好感がもてた。
▼ただし、時代劇という意識があったのか、全員が「シャクリ台詞」で、頑張れば頑張るほど言葉が相手に入っていかないので、勢い芝居が様式的にならざるを得ない。ト書きをしゃべるときの演出に一考を要する。
激しく出はけを繰り返す演出や、何度も切られてもすぐ元気に立ち上がる演出も、結局は様式的にならざるを得ない。ポイントでもっと細やかなリアリティが必要だと思う。
役者がストーリーに寄与しすぎの感がぬぐえなかった。久しぶりに会った昔の仲間に「10年ぶりだな」と言って、すぐ立ち回りに入るのはどうかと思うし、ストーリーを説明すべく早口の台詞がよく分からなかった。また最後の大事な決闘の前に、脇役達が派手に大立ち回りをやってしまうのは、作品構造的に損かもしれない。
▼あれだけの衣装を揃えるのは大変だろうが、信輔を除く武士はみんな同じ色だったので、役の区別が付きにくい。遠方からでもすぐ解る程度に微妙に変えた方がよかった。
▼「ひとりぼっち」「友情」「居場所」「帰る場所」というエキセントリックな言葉の多用と甘いピアノや笛の音と相まって、芝居はどんどん「甘え世界」に入り込み様式化していってしまったように思う。趣味の問題でもあるのだが、情緒に流れずにもっとリアルに若者の孤独と出発を爽やかに表現する演出もあったのでは・・・・?

c0209544_21111551.jpg■■上演④【秩父農工科学高校「肌色メタル」コイケユタカ/作】
▼役者はもれなく一定水準を超えていた。特に夏(橋本奈美)が素晴らしかった。社長(?)の物言いも効果的だった。台詞もほとんどが観客席に届いており、観客席との一体化があった。装置も細かいところまで神経が行き届いており、照明や音響のタイミングも素晴らしく、訓練を積んだであろうことが充分想像ついた。欲を言えば機械の社長をもう少し奥に置けば、芝居に奥行きが出せたと思う。社長のコードの抜き差しのシーンは、社長に照明をあてて抜き差しをもっと見せて欲しかった。
▼多くの見せ場や道具立てが、面白かったが、言いたいことのポイントが多く、しかも時間の関係なのか、それを同時に見せられるので、観客の理解が深める前に芝居が進んでしまう感があった。もう少し、丁寧に一つ一つを見せながら、本題になだれ込むと感動が違った物になると思う。
▼いろいろ表現として未消化の部分があった。「肌色」という言葉が随所に出てきたが、その意味するところが深く浸みてこなかった。
堂元の長い間隠してる手が金属だった。最後の夏目の腕が抜けるとやはり金属だった。さらにエンディングの金属の手の投げ込み。いずれも観客への「刺激」におもねてる感じがぬぐえない。金属化は精神的なものなのか?それともリアルな金属変化なのか?千崎以外はいずれも自己の機会化を自覚していないのは何故か?放射能に犯されると自覚できなくなるのか?作品構造の大事なところなので、明確に表現して欲しかった。
芝居の完成度が高かったし、芝居の強度もあったので、気にならない向きもあると思うが、フッと思い返すと、結局私たちをどこに連れてってくれるのかが解らず、最後不満が残る観客もいるかもしれない。やはりいいたいことの明確化は必要かもしれない。関東大会に向けての課題か?

c0209544_18213753.jpg■■⑤【久喜工業高校「しあわせや」演劇部/作】
▼練炭自殺を企てた3人の男が、意識を失って、気づくとしあわせバスツアーに乗っていた。誠実な演技で、魅力的で重いテーマに挑戦した。花村(芝僚介)がいい声で、観客席に届いていた。ガイド(山下夕喜)もコミカルな演技で頑張っていた。しかし緊張していたのか、台詞が小さく、早口で観客に言葉が届いていないので、芝居がもう一つ膨らまなかった。
せりふ全般が、床に落ちていて、反応のない間が生じ、舞台のエネルギーを弱めていた。主題が暗いので、芝居は明るく演じた方が効果的だと思う。
▼バスの装置を舞台一杯につくったが、少し広すぎて、バスの中には見えなかった。舞台奥の平台の上に乗っていた棺桶のような台と両脇の2本の柱の意味がよく分からなかった。観客が納得できる装置であって欲しい。またガイドがいちいち用足しに舞台袖に消える演出は、バスという空間への観客の想像力を疎外していた。
▼最後に悟の携帯が現実世界とつながり、なぜ悟だけが助かるのかが、よく分からなかった。
▼台本はもう少し役者の主体を大事に書いて欲しい。簡単にバスへの「申し込み」を納得したり、容易に「終点まで行くこと」を受け入れてしまうのは、ストーリーの進行を大事にした結果だと思う。また起きる事柄としては「結局悟だけが救われました」というだけで、構造的に平板。基本的な葛藤がないので、芝居というより、文学に近くなってしまう。
いい芝居をつくろうという気持ちが伝わってきていただけに、全体的にもう一つ厳しく観客の視点で芝居を創って欲しかった。

c0209544_210257.jpg■■⑥【東京農業大学第三高校「眠れる☆の少女」とうきょうりゅう/作】
▼本人はそれとは知らないうちに、シェルターの中で26年ぶりに目覚めた少女。だとするとこの部屋は26年前の少女の部屋仕様でなければならないはずだが、どこか2035年あたりを意識している装置で、それは根本的に違うのでは・・・?
しかし、紗幕のモニターから写る両親をみせる表現や、ドアの部分やいろいろな工夫が見られた。
壁は、左右を袖幕に隠した方がいいと思う。
▼役者は全員リラックスして、観客の反応も味方につけていた。ユミ(関口鼓弓)の声が柔らかく、小さな声もみんな理解できた。召使いのアンドロイド(栗原秀行)もそれらしい雰囲気を醸しだし、観客の笑いを誘い、芝居にエネルギーを注入していた。しかしもう少し表現の大きさと変化があった方が、もっと観客の反応を得られたと思う。3人の友達がアンドロイドだと観客に解らせるところと、両親はもういないと解らせるところがこの芝居の一番の面白さなので、もっとメリハリのあるショッキングな演出があるとよかった。ダンスもうまかったが、暗すぎてよく見えなかった。他の登場も含めて、照明(SS)をもっとしっかり当てて観客に見せて欲しかった。特にオープニングの暗い照明の演技は少し長すぎた。アンドロイドたちの台詞が音響にじゃまされてよく聞こえなかった。
▼台本は面白くかけていたと思う。しかし結局、シェルターの中で26年ぶりに目覚めた少女が、アンドロイドの捕獲を避けて、26年ぶりに帰還した宇宙飛行士とともに絶滅した人類を1から創ろうという話。それだけだと平板で、今ひとつドラマとしての膨らみに欠けた感は否めない。

c0209544_2102994.jpg■■⑦【入間向陽高校「ヒトえもん」成井稔+Koyo劇部/作】
▼引きこもりの一夢(上中一夢)の夢のような不確かな毎日。ここを抜け出す前に家族に見放されて・・・、という芝居。とぼけた味のあるいい舞台だった。もっと夢のような不思議な感じを出してもよかったのでは。お爺さんも、変装した一夢をおばあさんと間違えるくらいなのだから、演技ベースをもっと「ボケ」にしてもよかったのでは・・・。
「お母さんはたとえ変態でも正直な子が好き」とう台詞で代表されるこの台本の文体は魅力的だった。上位3校の中に入っても遜色ないいい出来だったと思う。
最後に突然数年後にジャンプするわけだが、一夢がそれを「どう疑わないか」がこの芝居の核のような気がするのだが、もう一つ中途半端だった。また、それまでのいくつもの日曜日の中で、一夢の自己がボケていくテンションを徐々に上げていって、そのあげく最後の「数年飛び」があればもっとリアリティが出て、芝居が深まった気がする。
▼装置はリアルにこだわり、よくできていた。ただ電球(蛍光灯)が若干まぶし過ぎたような気がする。また、掛け軸は壁には直接掛けないかもしれない。隣の家の窓の距離が近すぎた。

c0209544_2105544.jpg■■⑧【三郷北高校「旅館-再会の月見編」平田侑也/作】
▼一人息子を山の遭難で亡くした旅館の主人が、息子の残したテープに出てくる5人の友達の来館を妄想して、一人ビールを飲む、という芝居。
役者はみんないい声をしていた。特に朋也(日影望)、明(上原優子)、茜(越中環)がよかった。ただ、怒鳴ったり、大きな声を出すとき、喉ぜりふになり、突然聞き取れなくなった。純子(佐々木優美)と茜は自然な物言いで聞きやすかった。小品としてまとまったいい芝居だった。
▼装置は旅館の部屋を小さい四角い照明でエリアを切って当てていたが、6人の登場人物を配置するためには、あまりにも狭かった。袖幕から歩いて部屋に入ってくる役者の距離がありすぎ。もう少しボンヤリ外側に灯りを漏らしてもよかったのでは? 場合によっては思い切って、畳ではなく、黒パンチだけでもよかったのでは?
▼演技デッサンをもっとしっかり創って欲しかった。おじさんへの「内緒話」は、「芝居のうそ」としても変だったし、おじさんの正面切りの挨拶や物言いは芝居の流れを切っていた。朋也の「置いてけぼり」のシーンをカットしたのであれば、もっと悔しがらないとお客には状況がサッと飲み込めないかも。怪談話はもう少し怖くやって欲しい。
▼演出的には、最後の死んだ渉が突然部屋に上がり込んでくるシーンは、(おじさんの妄想だと後から解ったとしても)どうひいき目にみてもおかしかった。部屋をあれだけ小さい四角い照明でエリアを切ってあてていたのであれば、左右に一つずつ単を用意し、右の単に渉を登場させて、あくまでも現実と一線を画した方がよかった。さもないと違反だろう。さらに左側の単に、遭難の二人を配し、しかもそこから直接二人がこの部屋に上がり込む演出ができると面白かった。二人が走って雪穴から袖に消えるのはあまりにも無神経。雪をかき分けて去って欲しかった。音無し暗転はやめよう。遭難の二人にはもう少し必死さが欲しい。みんなの消え方は一考を要する。最後のおじさんの台詞が音に消されて聞こえなかった。

c0209544_2112363.jpg■■⑨【川口高校「贋作マクベス」中屋敷法仁/作】
▼ヨリコ(高橋すみれ)と魔女(森山裕紀)の声がよかった。特に低い声はバツグンに存在感があった。全体的にいわゆる「シャクリ台詞」が多く、怒鳴ったり、声が高くうわずったりすると台詞はほとんど解らなかった。もっとリラックスして自然に相手に言う訓練をするともっと芝居が膨らみ、笑いも取れるはずだ。また最後の「芝居の楽しさ」「自己満足の肯定」という主題が素直に観客に落ちてくると思う。
▼マントの色をもっと役ごとにわかりやすく変えると、マクベスの話もわかりやすかったかも。
▼装置はシンプルでよかったのだが、ただ部室であることの説明だけで、もっとシーン毎に動かして、利用すると芝居が膨らんだかもしれない。

c0209544_18224269.jpg■■⑩【筑波大学附属高校「ジキタリスと田中くん」演劇部/作】
▼完成度の高い芝居だった。役者が開放されてるのが何より一番心地よかった。先生と生徒の場面での女の子の演技は気持ちよく、自然で魅力的だった。それぞれが自分の思いでしゃべってるので言葉に説得力があった。観客も自然に芝居にのめり込み、確実に筑波大附属坂戸高校が長年培ってきた芝居の作り方の安定感の中に、会場が一体になった。
▼ただし、それだから余計、最後に唐突にいくつかのテーマらしき台詞が飛び交うことが、芝居の構造の平板さをさらけ出してしまうような気がしてならない。それまでのわかりやすいエピソードが素直にテーマとして収斂して観客に落ちてこない。なので大事な言葉が「思わせぶり」の言葉にさえ聞こえてくる。芝居の出来がいいほど、芝居が解りやすいほど、その感が強い。完成度がある半面、そこのツキツメが次のポイントのような気がしてならない。私もなんども同じ思いで同じような芝居を創ってきたので、あえて苦言を呈した。しかし見事、最優秀賞。これは文句ない。ここまできたのであれば是非今度こそ全国大会に行って欲しい。部活動の現場の大変さをよく知っているだけに、心からそう思う。
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# by tetsubin5 | 2009-11-23 00:39