演劇のお医者さん(若林医院)

tetsubin5.exblog.jp
ブログトップ

<   2011年 06月 ( 2 )   > この月の画像一覧


2011年 06月 25日

■秩父農工科学高校演劇部

【日時】2011.6/24(金) 17:30~20:00
【場所】秩父農工科学高校・清心館ホール
【芝居】コイケユタカ/作「少年神社

c0209544_115694.jpg■■【診察報告】
▼新しく全国用にキャストになった4人は、テスト1週間前なのに、特訓居残り。
小池先生の「セリフの上下」や「語尾の表情」など、細かい指示が飛ぶ。4人とも一生懸命、いい目で食いついてくる。大分成長している感じ。
う~ん、でも少し苦しそう。
一目で「外への豊かな思い」が不足しているのが判る。

▼芝居を上げるための「テク」に(つまりそれを実行しようともがく頭の働きに)気持ちが囚われ、肝心の芝居の「基本エネルギー」が枯渇しそうになっている。
もちろん「テク」と「基本エネ」は両方大事で、その双方向の練習のゆらぎが芝居を徐々に上げていくはずだ。
だから「基本エネ」の練習はどうしてもいつかはやることになるのだろう。

しかし恐いのは、「基本エネ」(思い・外へのイメージ)が無い状態での「テク」伝授は、効率が悪いということ。車にガソリンを与えないで「もっと早く走れ」と言ってるみたいなものだ。
場合によっては役者にかなりの苦痛を与えてしまう。

「救いはいつでも外から来る。」
これが今日の診察方針。

c0209544_10295521.jpgで、全員にまず外の具体的な場所に「気」を向ける訓練から、芝居の「基本エネギー」出しを試みる。
その上で、少しずつ効果的な「テク」の治療を施す。
「見る間に」というわけではないが、徐々に氷りが溶けてきた。
本番が近づくいて、急に芝居を上げようとすると、役者の欲望や喜びを保証しつつの練習が少しずつ捻れてくることはありがちなことだ。

▼試験休みが終わるのが7/7。 もうすぐそこに全国が待っている。
 で、最後のキーワードは
「最終的に頼りになるのはいつでもリラックス。」でっせ~。いやあ~、ワクワクしまんな。


■■【感想】顧問 小池 豊 先生
▼ありがとうございました! いやー、何度見ても若林演出には「まいりました」しか出ませんねぇ。
最近、自分としては少し感度が上がったことが災いしてか、逆に「気になることだらけ」になってしまって稽古が進まなくなりがち、でした。それで「もう開き直ってカタチから行っちゃおう」となったわけですが、「テクだけだと辛くなる」と若林先生が仰ったまさにその通りの展開になりつつありました。
▼例えばサッカーのコーチがハーフタイムに「相手との距離に気をつけて攻撃ではスペースに先に動いてスタミナを巧く配分してディフェンス陣は越えかけ合って・・・」なんて、気になることを全部言ってたら、逆に結局一つも実現しないかもしれません。自分の演出はそんな感じでした。
▼若林先生の演出は、まさにあの成長段階に過不足なくピンポイント。
先生が「気」という言葉で表現されてた、外部に意識を集中するアレだけにポイントを特化して稽古することで、こんなにも効率が上がるんだということに、もう脱ぐ帽子無くなるくらい脱帽しまくりで、いやホント、まいりました!
▼テスト明け、他のキャストもまじえて、またアレをやっていこうと思います。
キモチとカタチの往復ですね。


■■【感想】農工 黒澤 陸
▼いつもセリフ立てとか声の響きとか教えてもらっていたので、この前の稽古はちょっと意外でした。
でもすごくためになる稽古だったと思います。これからの芝居にも応用できるどころではなく、演劇の最も根本にある、「相手に伝える気があるのか?」を改めて確認させられました。
それを知ってしまったときは、すごく恥ずかしい思いをしました。今はそれが原動力になってます。
それと、今度会うときまでには投げ技の受け身をマスターしていたいと思います。


■■【感想】農工 嶋田 優
▼今までに何回もリアルに近い芝居を指導してもらったのに…忘れていたような気がしました。
指導してもらった時は「マドカ3050」のお婆ちゃん役の時の感じに、リラックスかつワクワクしました。
指導して下さってありがとうございました!
[PR]

by tetsubin5 | 2011-06-25 01:02
2011年 06月 14日

■「お~ぷん3」・セッション

c0209544_2218541.jpg
【日時】6/11(土)17:00~24:30 
【場所】秩父農工科学高校・清心館

■■【往診内容】
▼秩父農工で2日間に渡って行われた「お~ぷん3」
特に夜参加者150ほどで行われる「セッション」(コントバトル)が、若林医院の診療担当。
宿泊なので、若干参加者は少なくなるが、参加団体は以下の通り8団体。

①浦和北高等学校演劇部
②正智深谷高等学校演劇部
③尚美学園大学劇団SHOW
④城北埼玉高等学校演劇部
⑤東京成徳大学付属深谷高等学校演劇部
⑥川越高等学校演劇部
⑦上尾南高等学校演劇部
⑧秩父農工科学高等学校演劇部


▼あらかじめ用意された2種類のコント(ミディアム3本、ショート3本)と最初のいくつかのセリフを指定して行うフリーエチュード2本、計8種類のコントを素材にして、各団体から漏れなく演技希望者を呼び出し、セッションをしてもらう。
▼あらかじめ私の最初のオリエンは以下の通り。

①リングの上は(異種?)格闘技と心得よ。
②下手はOK。しかし引きやグズグズはお法度。サッと出てサッと帰るのを基本と心得よ。
③大事なことは初見の人と、どう協力して、芝居を膨らませ、成立するかを競うことと心得よ。
ボケには、出来るだけボケで対応。ボケると芝居が膨らむが、ツッコムと芝居が終わってしまう。
   ex 娘「アメリカに行ってブルドーザーになりたい」
      母「せめてホークリフトにしなさい」
④全員必ずリングに出す。
⑤トイレ、眠い人は迷惑にならないように会場から出る。ただし名前を呼んでいない場合はもう飛ばす!


つまり、いかに
「芝居を膨らまし」「他人とコミュニケーションとれるか」がホントの勝負である。
いざゴング!(小池先生から借りた、お経用の鐘をゴング代わりに)
c0209544_10562176.jpg
▼で、まあ、その後、昨年と同様に盛り上がり、興奮したコント大会になった。
全員が舞台に出切って、最後、まさよしの気の利いたセリフで、0時半に最終ゴングが鳴った。(最優秀バトル大賞は当然まさよしだ。)いやあ~、レフリーはしこたま疲れたけど、若者の熱気にどっぷり浸かることが出来た。

▼で、まあ、よかったことはよかったのだが、若干、去年とは違う印象をもった。私だけかもしれないが、何故か参加者と一緒に笑っていられない感情があった。
我が劇団SHOWのマコという男はいみじくも感想に「カラオケのノリでまじ面白かった」と書いた。
確かによくも悪くもその通りだった。
「個人の面白さ、受け」ばかりが目立って、芝居(コント)として立たせる部分が弱かった。
「個人の面白さ」は確かに魅力だが、長く見ていると間違いなくつまらなくなる。やはりお互いの関係の強さをみたくなる。ストーリー(関係)を見たくなる。コントのネライを見たい。
「関係」があっての「個人の強さ」なのだ。ギャクではない。

c0209544_10574026.jpg
▼むしろ私のオリエンにも問題があったかもしれない。出席者には落ち度はない。
来年はセリフを大事にして、コントが終わったときに会場を満たす「ある感情」があるかどうか、その質で勝負するセッションも加えたいという欲望がふつふつと湧いてきた。

「ワンランク上げたい」「同じ事をやりたくない」という私の嫌らしい性格からくる世迷い言かもしれへんけど・・・。
[PR]

by tetsubin5 | 2011-06-14 22:19